おいしさと品質にこだわったごま製品を世界へ

広大な菜種畑ときれいな水が存在する三重県四日市の地で1886年（明治19年）に創業した九鬼産業は、ごまの総合メーカーとして数々のごま関連食品を製造する。「おいしさ」と「品質」にこだわり、昔ながらの製法を守りながらも、新しいことにチャレンジすることをモットーに、ごまの魅力を追求し続けている。

同社では、FSSC やHACCP など最新の品質管理方法を導入しており、自社で残留農薬検査を行い、安全な原料のみを使用している。主力製品であるごま油は、抽出法ではなく、昔ながらの伝統にこだわった連続式圧搾法（注1）を採用している。また、ごまの皮をむく工程では化学薬品を使用せず、物理的な摩擦による皮むき工法で生産される。そのため、ごま本来の味が引き出されるのが同社製品の特徴だ。

また同社は、生産者の収入向上を目的に、途上国の人々による生産物を適正な価格で取り引きするフェアトレードにも積極的に取り組んでいる。2012年3月には、国内のごま専業メーカーとしては初の認証商品である「九鬼フェアトレードいりごま白」を製品化した。製品化に先立ち、社員がニカラグアの生産者を訪問するなど、生産者の顔が見える商品を消費者に提供できるよう努めている。

注1） 連続式圧搾法とは、薬剤を使わない昔ながらの伝統的な方法で、圧をかけごまをすり潰して搾る。