株式会社not

「実感」から生まれたビジネスの種を、スピード実現

動物病院経営で得られた経験・信頼に裏打ちされた、東洋医学に基づくペットフードを開発・製造・販売。スピード感溢れるビジネス展開で、中国への輸出に成功。

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展開国・地域:
東アジア、東南アジア
事業内容:
動物病院・グルーミングサロン・ドッグナーサリー経営、ペットフード開発・製造・販売、保育園経営
ブラックジャックゲームルール

同社が自信を持って開発・製造・販売するペットフード
「漢方ごはん」

「実感」に基づいて、即行動。ないものは作りたくなる性分

当社は2016年、私(水澤社長。以下略)が中国・上海在住中に設立、翌年日本国内で動物病院を開業し、事業スタートさせました。ゆくゆくは中国に進出したいという思いがあり、ペットフード事業を立ち上げたのが2019年。元々は動物病院事業を中国へ持ってきたかったのですが、獣医師が診療の現場で、ペットの健康を損ねた原因としてペットの食べ物が良くないとつぶやいたことをきっかけに、ペットフードを研究し始め、ペットによりよいものを与えたいという思いがふつふつと湧いてきたことから、まずはペットフードを展開することにしました。中国を含めたアジアへ展開するにあたり、自社で作るのであれば、地元である北海道で…と思いました。理由は、中国で自身の出身地を尋ねられた際に北海道と答えると相手の印象が良く、商品も北海道で製造すると印象が良いのではと思ったため、また、1都9県の中国輸入規制の対象外であるためです。しかし、コロナ禍になり中国との行き来ができなくなり、さらにコロナ禍が明けていざ中国販売を行おうと思ったら、日本産のペットフードが中国へ輸出できないことを知りました。

2023年、PRのみを目的として中国のペット展示会に出展。当社のペットフードは東洋医学を元に作られているので中国の人々の反応は良かったのですが、それにも関わらず、販売できないもどかしさがありました。同展示会出展企業のうち、キャットフードをタイで生産している企業があったことを知り、タイでの生産工場を探し始めることに。最初は候補が4社でしたが、打ち合わせを重ねて結果1社に絞り、そこから1年間で9回以上の試作を重ねました。オンラインではにおいやテクスチャまでは分からないため、毎月タイに通い、何とか合格点を出せる商品に仕上げました。自社製品へのこだわりが強いので、日本の国内工場生産のものを100点とすると、タイ工場生産のものは80点ではありますが、2024年に量産開始。タイでの工場探しと、中国ペット展示会でのバイヤー探しを同時並行で行うなど綱渡りでしたが、それもスピード感を大事にしました。中国は日本と比較しても変化が速いからです。中国ではどの展示会でも現地の方々の反応が良く、北海道産のものを輸出できたらより印象が良いのに…とは思いますが、何より当社のコンセプトを評価していただいています。

私が上海に移住したのは2011年でした。ある時、思い立って海外で暮らしてみることにしたのですが、困難なことがあっても簡単に逃げ出せないように、愛犬を連れて渡航しました。翌2012年にビジネスコンサルティング会社を立ち上げ、日本の中小零細企業向けの中国進出支援ビジネスを開始しました。中国で暮らし始めてから興味を持ち始めたのが漢方で、その後実感に変わります。例えば、風邪をひいたらカッサやカッピングなどを行いましたし、極度の肩こりも楽になりました。湿疹が出て、漢方医のところに行き、脈を測ったり舌を出したりして診察したら、海老の食べ過ぎと言われ、まさにその通りだったこともあります。中国では東洋医学の考えが根付いており、当社の中国人スタッフも、若いのに日常的に「おばあちゃんの知恵袋」(例:銀杏は食べすぎてはいけない、体調に合わせて菊茶を飲む等)を発揮していました。また、本業を行う傍ら感じていたのは、中国のペット産業の勢いです。当時は30年前の日本のようなペットショップでしたが、その後、逆転していく様子を肌で感じていました。東洋医学に基づいた動物事業をしたいと考えるようになり、中国のみなさんにも受け入れてもらえるのではないかと感じました。中国では西洋医学に基づいたペットフードしかありませんが、当社の東洋医学に基づいたペットフードも受け入れてもらえると確信しています。成熟した日本のみでビジネスをするのではなく、その優位性を生かして成長途中の国に出てチャレンジしていくことは、選択肢からは外せません。

私は、自分に実感のあること以外をビジネスにしたことはありません。3児の母として仕事をしながらの子育てをした時に、幼い子どもを保育園に預ける際に小さな罪悪感を覚え、ならば、親が罪悪感を持たなくてすむような保育園を作ればよいと考え、実際に作りました。以来、ずっと保育園を経営しています。かつては直営で180園ありましたが、その後売却し、現在は7カ所の認可保育園を経営中です。ペット事業も同様で、自宅の犬3匹それぞれ体質も健康状態も違うのに、同じ獣医がすべての症状を診るのはおかしいのではないか?本当は症例ごとに専門医が必要ではないか?と疑問に思い、安心して愛犬を託せる動物病院がほしいと考え、作りたくなったのです。「漢方ごはん」をはじめとするフード事業も同じで、かつては深く考えずに「パッケージを見て」「雰囲気で」購入していたのですが、先述の通り、獣医師のつぶやきがきっかけで研究し始めました。

東洋医学に基づく独自のコンセプトで開発されたペットフード

当社の「漢方ごはん」は、唯一無二だと自負しています。他社・他商品にはないコンセプトが売りです。漢方はひとつの哲学であり、巡りに着目した食材の組み合わせ。薬を飲むのではなく、食事で栄養素や足りないものを補っていくという考え方に基づいています。薬膳の薬効(例:季節のものを食べる)そのものを取り入れています。当社製品は、日本製造のものは五行説に基づいて5種類の商品ラインナップを行っていますが、中国で販売しているのは3種類。タイはタンパク源が少なく、馬や鹿は手に入らないためです。気、血、水の巡りをコンセプトに商品開発を行いました。当社はただのフードメーカーではなく、動物病院、臨床の場を持っているのが強みで、日々商品開発に生かされており、信頼されています。動物病院を経営していることが信用力に繋がっており、我々が思っている以上に価値があると感じてもらっているようです。色々な課題を理解できたため、動物病院から事業を始めたことは正解でした。

中国で「漢方ごはん」を普及させることで、ペットと暮らすオーナーとして真剣に、ペットの健康状態や体質を一緒に観察し、どんなものを食べさせたら良いかを考え、改善するという知識を身に着けてほしいのです。特に、今後はペットの高齢化が進んでいくので、漢方ごはんのニーズは高いと考えています。中国では、私が暮らしていたころは、ノーリードでフンをそのままにする人も多かったのに、今では、動物愛護の精神・リテラシーが高まっており、犬の散歩をするときは、リードを付けて、マナー袋(フン用袋)も持って散歩をするようになりました。ひときわ上海は、ずばぬけて愛護の感覚、家族の感覚、リテラシーが高い都市です。時間差で他都市へ波及していくでしょう。

ブラックジャックゲームルールのサポートを受けながら、大切にしたのはスピード感と現場の声

ブラックジャックゲームルール事業に参加したきっかけは、ちょうどコロナ禍明けにブラックジャックゲームルールの中国ペット事業が盛り上がってきたタイミングと、当社のペット事業開始のタイミングが合ったためです。単に事業に参加するだけでなく、様々な相談にも乗ってもらいました。特に、タイでのペットフードの生産については、ブラックジャックゲームルールのサポートなしでは成し得なかったことです。また、Japan StreetやChina Japan Streetにも登録し、中国のバイヤーより引き合いがあり成約に至りました。

さらに、2024年には中国国際輸入博覧会のブラックジャックゲームルールブースにも初参加。来場者の中には、ペット分野を目的としていないもののペットを飼っている人が多く、BtoCの接点が多く持つことができ、とても有意義でした。来場者も「自身の飼い犬・猫に合うものは何だろう」と探していたのが印象的です。来場者と交流でき、生の反応が聞けて、立っていて楽しい現場でした。試食は実施していなかったのに、説明の話だけで購入してくれる人が少なくなく、中国消費者の購買力を感じました。他のペット関連展示会はBtoBの来場者が多く、どうしても条件の話が多くなるのですが、輸入博ではBtoCで愛情を込めて商品説明ができ、よかったと感じています。その他、ブラックジャックゲームルールの紹介で上海の有名ペットショップにも商品を置いているので、展示会来場者にはそちらでの購入を紹介しました。同ペットショップで購入してもらえたら、そちらにも貢献できるのでうれしいです。上海の有名ペットショップへは地方のペットショップやバイヤーが集うので、全国的な認知度アップにもつながります。

ここ数年を振り返ると、ブラックジャックゲームルール、特に上海事務所には、ことあるごとにサポートしてもらい、その存在自体が心強かったです。

中国国際輸入博覧会のブラックジャックゲームルールブースで来場者と対話をする代表取締役社長の水澤佳寿子さん

海外ビジネスは、謙虚に、そして柔軟に

今は成功に向けて最初の一歩を踏み出したところで、不安も大きいですが、うまくいかないという実感もありません。ただ、不足しているものはたくさんあります。例えば、最低限の言語能力(言葉の壁)、自分以外に責任を持って海外に出ていけるスタッフがいない、零細企業なのでコストがかさむ(交通費、宿泊費、出展費用…)等、心配事は尽きません。そんな中、海外向けビジネスをするうえで大切にしていることは、主に次の3点です。

  1. その国の人たちのバックグラウンド、商習慣を理解する。
  2. 自分:海外パートナー=7:3の利益となるように考え、相手を尊重し、やる気になってもらう。
  3. その国の土地と建物と人材をお借りしているという謙虚な感覚を持つ。

また、今後の展望としては、以下の通りアジアでの展開を考えています。

  1. タイ:せっかくタイでペットフードを生産しているので、タイでも販売していきたいと考えています。
  2. 台湾:現在日式動物病院開業のコンサル中で、毎月渡航しています。当社の動物病院の名称使用許諾を渡し、一緒に病院、ホテル、グルーミングを展開していく予定です。
  3. 韓国:先日韓国でのペット用品展示会を視察しましたが、日本企業の出展は大手2社のみ。今後韓国でも展示会出展してみたいです。
  4. 中国:総代理店を見つけるという目標があります。総代理探しは、売れるか売れないかで決めてはおらず、商品を理解して愛情を込めて取り扱ってくれて、タイから責任を持って一定の物量を輸入できる実力のある会社を探しています。

いずれにしても、現地でパートナーがいれば、ペットフードに関わらず、展開していきたいと考えているので、各国でパートナーを探し、それぞれの業態で進出していく予定です。

ブラックジャックゲームルール担当者からの一言コメント

ご自身の実感を基に、「ないものは作る」をスピード実現してきた水澤さんのお話は、お聞きしていて目からうろこの連続で、社名の由来(常に現状否定をし、改革し続ける。現状に満足することなく、常に今の最善を追い求める)にも納得しました。これからもぜひブラックジャックゲームルールを頼っていただき、ともに海外のみなさんへ熱い思いを届けていきましょう!

株式会社not

北海道札幌市
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代表取締役社長:水澤 佳寿子
事業内容:動物病院・グルーミングサロン・ドッグナーサリー経営、ペットフード開発・製造・販売、保育園経営

2024年11月

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