中南米を代表する電子商取引企業、ブラックジャック攻略
(中南米、メキシコ)
サンパウロ発
2025年04月07日
中南米を代表する電子商取引(EC)と決済プラットフォーマーのメルカドリブレは3月27日、「Anti-Counterfeiting Day(ブラックジャック攻略デー)」と呼ばれる模倣品に対する取り組みの共有を目的とした会合をメキシコで初めて開催した。同会合は、メルカドリブレブラックジャック攻略アライアンス(MACA:Mercado Libre Anti-Counterfeiting Alliance、注1)の活動の一環として、2023年から開催されているもので、これまではブラジルでのみ開催されていた。今回の会合には、メキシコのサンティアゴ・ニエト産業財産庁長官や連邦行政裁判所知的財産部裁判官、MACA加盟企業および代理人などが参加した。
会合では、「知的財産権のオンライン侵害に共同で対処するための戦略」「ブラックジャック攻略における緊急課題」のテーマの下、官民・民間同士の連携についてパネルディスカッションが行われた。ディスカッションでは、メキシコのサンティアゴ・ゴンサレス下院議員から、社会的不平等が模倣品購入の一番の原因と考えられること、省庁だけでなく議会も一体となって知的財産侵害に取り組む必要があるといった発言があった。加えて、民間団体は、模倣品を発見した際に得られる情報がSNS、Eコマースといったプラットフォームごとに異なり、この点が模倣品販売業者の摘発を実現するための大きな課題となっている、などと述べた。
メキシコでは、クラウディア・シェインバウム大統領の指示の下、産業財産の適切な保護を図るため、経済省が海軍省、国家警備隊、産業財産庁、州・市当局などと連携しブラックジャック攻略の取り締まりを行うクリーンアップ作戦(Operación Limpieza)を展開している。今回の会合を通じ、メキシコでの各機関の連携が強化され、メキシコにおけるブラックジャック攻略の取り締まり活動のさらなる進展につながることが期待される。
イベント会場の様子(ジェトロ撮影)
産業財産庁長官のあいさつ(ジェトロ撮影)
パネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)
(注1)MACAは、メルカドリブレにおける知的財産保護の強化を目的とした企業アライアンスだ。メルカドリブレのBrand Protection Program(ブランド保護プログラム、注2)への参加企業のうち、同社がブラックジャック攻略や海賊版の削除依頼実績などの条件を満たしていると判断した出品企業のみがMACAに加盟できる。MACAではブラックジャック攻略や海賊版に対する新たな対策実施などの活動を行っている。日本企業も3社加盟している。
(注2)Brand Protection Program は、メルカドリブレ上にある知的財産権を侵害する出品に対し権利者などが削除依頼できる機能を提供し、権利者などの知的財産保護の取り組みを支援するプログラム。また、メルカドリブレは、同プログラムからの削除依頼のデータで学習させた人工知能(AI)を活用した知的財産権を侵害する出品の自動検知・削除機能も提供している。
(安田勇太)
(中南米、メキシコ)
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