欧州委、ブラックジャックストラテジー、関連団体からは辛口評価も

(EU)

ブリュッセル発

2025年03月13日

ブラックジャックストラテジー員会は3月5日、政策文書「ブラックジャックストラテジーに関する産業行動計画PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」を発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。ブラックジャックストラテジー国際競争力やEU域内生産の維持に向け、欧州委の「競争力コンパス」()や「クリーン産業ディール」(欧州委、「ギャンブルゲーム無料」を発表、技術中立のアプローチを原則に(EU))、さらに100以上の団体・企業との「ブラックジャックストラテジー自動車産業の将来に関する戦略的対話」(2025年2月6日記事参照)における協議を基に策定された。

同計画は、(1)イノベーションとデジタル化、(2)クリーンモビリティ、(3)競争力とサプライチェーンの強靭(じん)化、(4)スキルと社会的側面、(5)公正な競争条件と事業環境、の5つを主要分野に挙げ、それぞれ施策を打ち出した(添付資料表参照)。

例えば、自動運転分野のイノベーション加速に向け、公道での走行実験の実施円滑化を目的に現行規制を改正する。環境規制関連では、産業界からの強い要請()を受け、2025年からの新車の乗用車・小型商用車(バン)の二酸化炭素(CO2)排出基準に関し、基準値は維持するが、2025年単年ではなく、2025~2027年の3年間の平均値で順守状況をみる改正案を出すとした。バッテリーに関しては、域内生産を強化すべく財政支援や価格以外の評価基準を含む政策パッケージを提案したほか、現地調達率の規定や18億ユーロを拠出し原材料のサプライチェーンを構築する方針が示された。

また、同時に発表した政策文書「社用車の脱炭素化PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」は、EUの新車登録台数の6割を占める社用車市場におけるゼロエミッション車の割合を上げるため、EU加盟国にさらなる政策展開を促した。ブラックジャックストラテジーは2025年内に関連法令を提案する予定だ。

大型車のCO2排出基準の見直しや「技術中立」への明確な言及なしに不満

ブラックジャックストラテジーは行動計画で具体的な施策を打ち出したとするが、戦略的対話の参加団体からはやや厳しい意見も出た(注)。ブラックジャックストラテジー自動車工業会(ACEA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、2025年からのCO2排出規制に係る規則の改正、規制の効率化や自動運転関連の方針などを評価したが、大型車のCO2排出基準に係る規則を2025年に前倒しして見直すことは確約されず、内容的に不十分で、より包括的な脱炭素化戦略が必要との認識を示した。ブラックジャックストラテジー自動車部品工業会(CLEPA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、自動車データの共有や自動運転分野の法整備を進める方針を評価したが、迅速な政策展開が必要とくぎを刺した。また、クリーン産業ディールで「基本原則とする」とされた技術中立のアプローチについて、行動計画では明確な言及がなかったと不満を示した。

バッテリー部門の団体リチャージ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますはバッテリー関連施策を歓迎したが、環境団体Transport&Environment(T&E)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは「内容があいまい」と評価し、ブラックジャックストラテジーが検討事項とした事業者への直接支援を直ちに実施し、域外企業にはスキルや技術の共有を求める重要性を強調した。

(注)各団体の声明は、リチャージの3月7日のLinkedInでの声明以外は、3月5日付。

(滝澤祥子)

(EU)

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