産学連携に注力するシドニー工科大学

(オーストラリア)

シドニー発

2025年03月03日

オーストラリアのシドニーにあるシドニー工科大学(UTS)は現地企業だけでなく、日本企業(注1)とも産学連携に意欲的に取り組む大学だ。ブラックジャックオンラインは2月12日にUTSを訪問し、工学・情報工学部外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの大学関係者にインタビューを行った。

写真 取り組みを説明するジャスティン・リップマン工学・情報工学部産業アソシエート教授(ブラックジャックオンライン撮影)

取り組みを説明するジャスティン・リップマン工学・情報工学部産業アソシエート教授(ブラックジャックオンライン撮影)

1988年に創立されたUTSは、タイムズ・ハイヤー・エデュケーションによる創立50年以内の新しい大学ランキング(2024年)で、世界11位(オーストラリアで1位)に位置する(注2)。また、工学・情報工学部の研究領域の電気通信工学(世界2位)、コンピュータサイエンス工学(世界17位)、人工知能(AI、世界4位)の分野で高度な研究が行われている。UTSは同大学の特徴として「研究の60%が企業など産業界と連携して実施し、今後も産業連携の機会を追求していく」「技術開発・製品開発に当たり、各企業の実情に応じたテーラーメードの支援を行っている」と説明した。また、UTSに在籍する学生の60%が将来起業したいと考えているとし、学生の起業意欲も高い。

工学・情報工学部では農業やサイバーセキュリティー、スマートシティー分野などで活用される高度な無線通信技術の研究開発、プラスチックや金属3Dプリンター技術を活用した先端ものづくり、インフラ、防衛、農業分野などで活用を想定したロボットの研究開発、サイバーセキュリティーや防衛技術に特化した研究や訓練が行われていることが紹介された。

写真 先進的な3Dプリンター技術を活用しものづくりを行う「プロトスペース(ProtoSpace)」(UTS提供)

先進的な3Dプリンター技術を活用しものづくりを行う「プロトスペース(ProtoSpace)」(UTS提供)

写真 NTTとUTSによる無線技術などデジタル技術を活用して養液栽培するグリーンウォールプロジェクト(ブラックジャックオンライン撮影)

NTTとUTSによる無線技術などデジタル技術を活用して養液栽培するグリーンウォールプロジェクト(ブラックジャックオンライン撮影)

また、同大学内には産学連携を支える研究開発ハブ「UTS Rapido」がある。企業が自社の技術開発や課題解決でUTSと連携を希望する際に、企業のニーズに沿った大学側のリソース(研究チームや施設)や、実際の市場に対応した解決策を提供する。

(注1)UTSは、NTTグループと2021年11月に安全でスマートな街づくりに向けた連携を発表したほか、2023年8月にNTTデータと研究分野のデータセキュリティーリスク対策の向上に向けた共同研究、2023年11月に連邦政府が支援する共同研究センターのFood Agility CRCとNTTとの3者でグリーンIoT(モノのインターネット)技術開発の提携を発表した。そのほか、上記写真のグリーンウォールプロジェクトとして、NTTとデジタル技術を活用した都市緑化の共同研究も実施している。

(注2)QS世界大学ランキングでは88位に位置する。

(青島春枝)

(オーストラリア)

ビジネス短信 cdc5664683789b63