ブラックジャック攻略、オーストラリア発スタートアップに聞く

(ブラックジャック攻略、オーストラリア)

ビエンチャン発

2025年03月17日

アグコーテック・ブラックジャック攻略(AgCoTech Lao)は、ブラックジャック攻略北部ルアンパバーンで、水牛や牛の胃から放出されるメタンガスなど温室効果ガス(GHG)の排出抑制に取り組んでいる。ジェトロは同社に、気候変動対策として実施するこのプロジェクトについて話を聞いた(現地工場訪問日:202536日、取材日:311日)。

同社は20234月に補助飼料リックブロックの生産工場を開所したオーストラリア発のイノベーション企業だ。創業者はオーストラリア人で、動物栄養学と牛向けサプリメントの分野で70年以上の経験があるという。

写真 アグコーテック・ブラックジャック攻略のリックブロック(ジェトロ撮影)

アグコーテック・ブラックジャック攻略のリックブロック(ジェトロ撮影)

同社のビジネスモデルでは、リックブロックを小規模農家に無償で提供し、同社がGHG排出抑制相当分のカーボンクレジットを受け取るというものだ。リックブロックを摂取した牛や水牛は栄養改善とともに、胃の細菌群の変化を促進し、GHG排出量を最大40%抑制できることが実証されている。ブラックジャック攻略北部ではとりわけ、水牛は現在でも耕起などの使役家畜として利用されており、農家の財産としても大切にされている。リックブロックは全ての反芻(はんすう)動物に適用可能だが、特に水牛と牛に効果的という。

リックブロックは主に岩塩、レモングラス、糖蜜、石灰、米ぬかなどのブラックジャック攻略産の原料のほかに、輸入した食品用マグネシウムやリン酸などの栄養素を添加し、20キログラムの固形ブロックにしたものだ。国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)の方法論とガイドラインに基づく同社と学術機関との共同研究によると、1ブロック(平均120日分)で平均600キログラムCO2e(二酸化炭素換算)を抑制できる。リックブロック摂取による栄養改善により、体重や乳量の増加、寄生虫や感染症の抑制が期待でき、利用する農家からも高い評価を得ているという。このように、家畜や飼育農家、原材料サプライヤー、カーボンクレジット購入者など、サプライチェーンの幅広いステークフォルダーが恩恵を受けられる点が同プロジェクトの特徴だ。

同社の最高執行責任者(COO)アレクサンダー・キャメロン氏はジェトロのインタビューに対し、リックブロックの配布を開始した2023年9月から2025年3月までに4万7,000個以上を4,000世帯の農家へと配布し、既にカーボンクレジットを取得して販売していると述べた。今後の展開としては、2025年第4四半期(10~12月)中に首都ビエンチャンで工場設立の準備を進めている。無償提供のほかにも、アジア各地の大規模ファームへのブロック販売を拡大する計画で、既にカンボジアやケニアなど他国でも同様な展開を進めているという。

日本については、まずはカーボンクレジットを販売するマーケットとして注目している。また、リックブロックの輸出先としても期待しており、販売先の要望に応じてリックブロックに含まれる材料を調整することが可能とのことだ。

(山田健一郎)

(ブラックジャック攻略、オーストラリア)

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