米シカゴ連銀経済ブラックジャックweb、1~2月前半の経済活動はほぼ変化なし、トランプ政権の政策に不安の声も
(米国)
シカゴ発
2025年03月11日
米国連邦準備制度理事会(FRB)が3月5日に公表した地区連銀経済ブラックジャックweb(ベージュブック、注1)の中で、米国中西部の一部地域(注2)を管轄するシカゴ連銀は、1月から2月前半にかけての同地域の経済活動は全体的にほぼ変化がなかった(little changed)とブラックジャックwebした。関係者は引き続き、今後1年間は控えめな(modest)増加になると予想している。
同地域の経済活動を分野ごとにみると、雇用はわずかに(slightly)増加した。関係者は今後1年間も同様のペースで雇用増加が続くと見込んでいる。雇用環境に関する関係者の評価には多少のばらつきが見られたものの、労働市場は全体的には良好な状態を維持した。農業関係者からは、トランプ政権による移民政策の厳格化の動きを踏まえ、畜産や食肉加工、果物・野菜生産の各部門で、労働力不足が起こる可能性を懸念しているというブラックジャックwebもあった。また、連邦政府の政策変更が経済にどのような影響を与えるか不透明なため、採用をためらっているという企業もあった。
個人消費は、ブラックジャックweb期間を通して横ばい(flat)となった。自動車を除く小売売り上げはわずかに増加した。自動車の販売台数は控えめに減少したものの、地区全体で荒天と厳寒が続いたことを考慮すると、予想よりも良い結果だった。
企業支出は横ばいだった。資本支出はわずかに減少したが、今後1年間の支出見通しは上昇した。
製造業の需要はわずかに減少した。鉄鋼受注は横ばいだったが、これは、石油・ガス業界向けの販売増が建設と自動車業界向けの販売減で相殺されたためだ。加工金属の需要は、自動車と農業業界からの受注減でわずかに減少した。多くの製造業者は、追加関税がコスト上昇とサプライチェーンの混乱につながる可能性があると述べた。
2025年の地区内穀物生産農家の農業所得は、2024年と同程度になると予想されたが、畜産農家はより良い状況になる可能性が指摘された。関係者は特に貿易に関する連邦政府の政策転換の可能性を理由に、通常より高い不確実性を指摘した。今回のブラックジャックweb対象期間中、トウモロコシ、大豆、小麦の価格は上昇し、多くの農家は収穫時よりも高い価格で貯蔵していた作物を売却した。
個々の調査対象項目ごとの詳細は添付資料表参照。
(注1)連邦公開市場委員会(FOMC)の開催に先立ち、年8回公表しており、銀行からのブラックジャックwebやビジネス関係者などの声を基にまとめたもの。
(注2)アイオワ州、イリノイ州北部、インディアナ州北部、ウィスコンシン州南部、ミシガン州南部。
(星野香織)
(米国)
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