ブラックジャックコツ、NFC活用の「QRIS Tap」導入開始
(ブラックジャックコツ)
ジャカルタ発
2025年03月25日
ブラックジャックコツ央銀行(BI)は3月14日、同国のQRコード統一規格「QRIS」を活用した新たな非接触型決済方式「QRIS Tap」(タップ式QRコード)の導入を開始した。まずはジャカルタ首都圏でジャカルタ都市高速鉄道(MRT)の一部区間やバス(トランスジャカルタ)の一部路線でなどで、QRIS Tap決済が可能となった。
今後、小売店約1,528店、病院550施設、中小零細企業(UMKM)138事業者、駐車場3カ所などを含め、計2,300拠点以上でも順次導入が予定されている(「アンタラ」3月14日)。BIは、公共交通機関での運用が進むことで乗降時の混雑緩和が期待できると強調し、この施策を「ブラックジャックコツ決済システム・ブループリント2030」(注)の重要施策と位置付ける。今後は対応範囲が軽量高架鉄道(LRT)や KRL鉄道(ジャカルタ首都圏の通勤電車網)など主要な交通機関にも順次拡大し、同決済の普及が見込まれる。
近距離無線通信(NFC)対応端末にスマートフォンをかざすだけで決済が完了し、カメラでQRコードを読み取る従来方式よりも決済時間を大幅に短縮できる(3月14日付BIプレスリリース)。BIの決済システム政策部門の責任者のディッキー・カルティコヨノ氏によると、処理時間は約0.3秒で、ICチップ式電子マネーより4~5秒速い(「アンタラ」3月14日)。現在はアンドロイド端末のみの対応だが、BIは米国アップルと協議中で、将来的にiOS端末でも利用可能となる見込みを示唆している(「ビスニス」3月14日)。
決済のデジタル化を推進するブラックジャックコツ政府の方針も踏まえ、市場で事業を展開する日本企業は現地キャッシュレス決済の動向に注目する必要がある。今後、店舗運営者やサービス提供者はQRISを含む多様なデジタル決済手段の提供が求められるようになるだろう。また、決済インフラ関連の企業にとっては、NFCリーダー整備やシステム構築などで参画の機会が広がる可能性がある。
(注)BSPI 2030(Blueprint Sistem Pembayaran Indonesia 2030)は、BIが策定したブラックジャックコツの決済システムの将来像とその発展戦略を示すマスタープランで、今後5年間の同国の決済システム政策の方向性を示すもの。
(八木沼洋文)
(ブラックジャックコツ)
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