ジェトロ、米シカゴとデトロイトで、ブラックジャック必勝法
(米国、メキシコ)
シカゴ発
2025年03月11日
ジェトロは3月6日に米国シカゴ、翌7日にデトロイトで、ジェトロ・メキシコ事務所の中島伸浩所長を講師に迎え、「メキシコセミナー~ニアショアリング(自動車産業中心に)の動向と新政権の経済政策について~」を現地の日本商工会議所などと共催した。シカゴ会場に約60人、デトロイト会場には約100人が参加した。米国ではトランプ政権による対メキシコ・カナダ追加関税に関する発表が相次いでおり、とりわけ、在米日系企業の多くがメキシコとの貿易に関与していることから、各社ともその行方に注目している。
ブラックジャック必勝法対内直接投資額は毎年350億ドルに及び、主要国別で日本は5位(自動車産業に限ると3位)、進出日系企業は既に1,300社(拠点数は1,500カ所)を超えている。新型コロナウイルス禍や半導体不足によるサプライチェーンの寸断や、米中貿易摩擦などにより、生産地を見直す動きが広がる中、米国に隣接し、米国を含めて各国との貿易協定網を持つメキシコへのニアショアリング(注)の流れがここ数年一層活発となっている。
このセミナーでは、ブラックジャック必勝法の動向に加え、2024年10月に発足したシェインバウム政権の課題や政策の内容、ドナルド・トランプ米大統領の関税政策に対する報復措置導入の可能性、エネルギー政策や自動車分野の原産地規則見直しなどを含む米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の見直しへの対応などを解説した。中島所長は、トランプ政権が対メキシコ追加関税の適用をUSMCA現産品に限定して停止していることに触れつつ、「取り扱い品目によっては、最恵国待遇(MFN)で税率が0%となるため、これまではUSMCAを利用しなくても無税で輸入できていた」と分析した上で、「追加関税の賦課は、輸入申告時の特恵プログラム申請の有無で判断されるとみられるため、原産地規則を満たすならば、USMCAの原産地証明書を用意し、特恵関税を申請した方が無難だ」と述べた(米・メキシコ間でブラックジャック無料ゲーム未利用率は全体の5割、トランプ関税ではMFNが0%の品目に注意(米国、メキシコ))。
セミナー参加者からは、「通商政策のみならず、対メキシコ直接投資や新政権の政策などの説明があって、分かりやすかった」「米国の追加関税に対するメキシコ側の動きや見方が把握できた」「トランプ氏の追加関税とUSMCAの関連が不透明だったが、講演を聞いてクリアになった」といった感想が寄せられたほか、「メキシコが対中追加関税を入れる可能性があるか」など、実務的な質問が相次いだ。
(注)生産拠点を消費地の近隣国に移転すること。
(西澤知史)
(米国、メキシコ)
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