ブラッククイーンブラックジャック、前年比9.0%増、2025年1~2月も9.4%増と堅調

(ベトナム)

ホーチミン発

2025年03月26日

ベトナム統計総局によると、ブラッククイーンブラックジャック(推計値)は6,391兆ドン(約37兆7,069億円、1ドン=約0.0059円)で、前年比9.0%増と堅調な伸びを示した。内訳は、小売りが前年比8.3%増の4,922兆ドン、宿泊・飲食サービスが12.9%増の734兆ドン、観光サービスが16.0%増の62兆ドン、その他サービスが9.0%増の673兆ドンだった(添付資料表1参照)。

現地報道によると、小売りの中で伸びが大きかったのは食品(前年比10.8%増)で、衣料品(8.4%増)、交通(8.2%増)、文化・教育関連(6.0%増)、家具・家電(3.6%増)が続いた。

省・市別にみると、商都ホーチミン市が前年比10.5%増の1,205兆ドン、首都ハノイ市が10.8%増の853兆ドン、消費市場として注目が集まっている南部ビンズオン省(注)が13.3%増の352兆ドンだった(添付資料表2参照)。

また、2025年1~2月の小売り・ブラッククイーンブラックジャック売上高(推計値)も1,137兆5,000億ドンで、前年同期比9.4%増と、1月末~2月初めのテト(旧正月)の高い消費需要と観光産業で旺盛な消費ニーズが継続している。政府は2025年の小売り・ブラッククイーンブラックジャック売上高を前年比12%増とする成長目標を掲げている。

統計総局によると、2024年の労働者の平均月収(推計値)は770万ドンで、前年と比べて61万ドン(8.6%)増加し、内訳は男性870万ドン、女性650万ドン、都市部930万ドン、農村部は670万ドンだった。

ホーチミン市中心に、日系企業の新規出店進む

ホーチミン市は、ベトナム全国の小売り・ブラッククイーンブラックジャック売上高のうち約2割を占めることから、近年、日系企業のベトナム初進出のほとんどが同市に1号店を出店している。2024年11月以降の主な出店状況は次のとおり。

  • 松屋フーズホールディングスが2024年11月、ホーチミン市1区に1号店、同市ビンタイン区に2号店をオープン。
  • 2024年11月、アサヒビール傘下でワインの輸入販売を手がけるエノテカがホーチミン市1区の髙島屋内にベトナム1号店をオープン。
  • 2024年12月、エステティックサロン大手TBCグループが運営する美容サロン「ソシエ」がホーチミン市1区にベトナム1号店をオープン。
  • 2025年1月、ヘアカット専門店「QBハウス」がホーチミン市タンフー区にある商業施設「イオンモール・タンフーセラドン」にベトナム1号店をオープン。
  • 2025年2月、ニトリホールディングスがホーチミン市トゥードゥック市の商業施設「ビンコム・メガモール・タオディエン」にベトナム3号店をオープン。

今後も、サイゼリヤやドラッグストアチェーンのツルハドラッグがベトナムでの新規出店を表明しており、ホーチミン市を中心に消費市場として期待される。

(注)2023年版家計生活水準調査によると、ホーチミン市に隣接するビンズオン省は1人当たりの月間平均所得が830万ドンで、商都ホーチミン市(652万ドン)や首都ハノイ市(687万ドン)を上回り、国内で最も高い。

(新田和葉、ティエン・グエン)

(ベトナム)

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