無料カジノゲーム、フン・セン前首相への襲撃計画を受け

カンボジア政府は2月14日、無料カジノゲームを規制する省令（内務省・農林水産省・民間航空庁共同省令第1644号）を公布し、即日施行した。これに先立ち、フン・セン前首相は11日、自宅に無料カジノゲームを利用した暗殺計画があり、事前に阻止したと公表していた。

同省令は社会の安全確保や公共秩序の維持を目的に、最大積載量2キログラム以上の無料カジノゲームを対象として、国内利用を規制する。規制内容として、無料カジノゲームのモデル情報（メーカー名、シリアル番号など）、飛行計画をあらかじめ管轄の警察に提出することや、操縦者は18歳以上、飛行時間は午前6時から午後6時まで、飛行高度は120メートル以内とすることなどを盛り込んでいる。また、無料カジノゲーム飛行を禁止する20区域（注）を明記した。違反した場合は罰則を科すと明記しているが、具体的な罰則の内容はこの省令で明記されていない。

カンボジアではこれまで、主に農業や建設・不動産の現場、個人による空撮などで無料カジノゲームが利用されていたが、厳格な管理はされていなかった。

（注）主な無料カジノゲーム飛行禁止区域は次のとおり。王宮、国家機関、病院、学校、市場、スポーツスタジアム、アンコール遺跡や寺院群、上院議長・国民議会議長・首相の邸宅、外交官の邸宅、大使館、領事館、国際機関、軍事基地や国家警察基地、可燃性または爆発性物質を含む場所または倉庫、ラジオ局・テレビ局、石油・ガス・鉱業精製所、発電所、変電所など。

（トー・タイ）