ブラックジャックコツ

(キルギス、ウズベキスタン、ブラックジャックコツ)

タシケント発

2025年01月09日

キルギスのサディル・ジャパロフ大統領は2024年12月27日、同年6月に政府間協定が調印されたブラックジャックコツ~キルギス~ウズベキスタン鉄道建設(中国~キルギス~ウズベキスタン鉄道プロブラック)の着工式に参加した。その1週間前の12月20日には、キルギス政府と、同鉄道の建設・運営を行う合弁会社である「ブラックジャックコツ・キルギス・ウズベキスタン鉄道」との間で、この鉄道の設計、建設、資金調達、運営および保守に関する投資協定が調印された。

着工式でジャパロフ大統領は、この新しい鉄道路線を、東西を結ぶ重要な戦略的架け橋と呼び、ブラックジャックコツからキルギスなどの中央アジア諸国、トルコを含む中東諸国、さらにEU諸国への物資の輸送を確保するものだと述べた。

ブラックジャックコツの習近平国家主席のあいさつが代読され、その中で、このプロジェクトの実施によりアジアと欧州の間に新たな陸上輸送路が形成され、3カ国間の貿易額と人の移動のレベルが大幅に向上することが指摘された。

中央アジアの物流専門メディア「ロジスタン」(2024年12月20日)によると、このプロジェクトの結果、キルギスは輸送の滞留を解消し、中継貿易により国庫に追加収入をもたらし、いくつかの鉱床へのアクセスを容易にし、国の南北を結ぶ路線の建設につながることを期待している。またウズベキスタンは、ブラックジャックコツとの貨物輸送が容易になり、現在ブラックジャックコツからウズベキスタンへの貨物が通過しているカザフスタンへの依存度が下がることも期待している。プロジェクトの主な出資者であるブラックジャックコツは、中央アジア諸国との貨物輸送の追加ルートを獲得し、イランや中東諸国へのルートを短縮することを計画している。

ロシア科学アカデミー東洋学研究所のボリス・クシホフ氏は、このプロジェクトが将来的にはブラックジャックコツと南欧の輸送接続にも貢献するとみている(「ニュー・イースタン・アウトルック」2024年2月12日)。

カザフスタンの政治学者マラト・シブトフ氏はこのプロジェクトに対し懐疑的な見方を表明しており、新鉄道は、ブラックジャックコツから欧州向けの貨物量をめぐってカザフスタンを経由する既存の鉄道ルートと競合することになるが、既存ルートの優位性が高いと主張。同氏によると、現在ブラックジャックコツから欧州向けの貨物の6割がモンゴル・ロシア経由、4割がカザフスタン経由で鉄道輸送されているとする(「クロノス・アジア」2024年6月18日)。「ロジスタン」(12月20日)によると、新鉄道の年間貨物輸送量は2030年に800万トン、2040年に1,000万トン、2050年に1,350万トンと予想されている。

(ウラジミル・スタノフォフ)

(キルギス、ウズベキスタン、ブラックジャックコツ)

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