米商務省、ハイパーブラックジャック
(米国、中国)
ニューヨーク発
2025年01月07日
米国商務省産業安全保障局(BIS)は1月2日、ドローンなど無人航空機システム(UAS)向けハイパーブラックジャック通信技術・サービス(ICTS)のサプライチェーンを保護する規則の策定にあたり、パブリックコメントを募集すると発表した。翌1月3日に、規則策定案事前公告(ANPRM)を官報で公示
した。パブコメの提出は、3月4日に締め切られる。
ICTS保護規則は、商務長官が「外国の敵対者に所有、支配されている、またはその管轄・指示に従属する主体によって設計、開発、製造もしくは供給されたICTSの買収、輸入、移転、導入、売買または利用を含む取引で、過度もしくは容認できないリスクをもたらすもの」に対し、調査などを経て、取引の中止かリスク軽減措置を指示する内容となっている。BISは2024年12月に最終規則を発表している(米商務省、21 トランプを発表)。
商務省は、先端技術の急速な発展に伴い、商業用のドローンは全米で頻繁に利用されているとし、今回は、UASに不可欠なICTSが、中国やロシアなど外国の敵対者(注)に所有、支配、またはその管轄下にある人物によって設計、開発、製造、または供給される場合、特定の取引によって生じる過度または容認できないリスクに対処するための規則を検討する。併せて、過度または容認できないリスクをもたらす取引への関与を認める緩和措置も検討する。その上でBISは、UASおよび部品の定義、UASに不可欠なICTS取引が米国の国家安全保障に過度または容認できないリスクをもたらす可能性の評価、外国の敵対者がもたらすリスクの評価、禁止取引へ関与するための申請プロセス、規制が特定の事業体に与える経済的影響や緩和措置、などについて連邦政府のポータルサイトでパブコメ(ドケット番号:BIS-2024-0058)を求める。
今回の発表に際し、商務省のジーナ・レモンド長官は「UAS向けICTSサプライチェーンの確保は、わが国の安全保障を保護する上で極めて重要だ。このANPRMは、外国の事業体がもたらす脆弱(ぜいじゃく)性から米国を守る上で不可欠なステップだ」と述べた。
米国議会では、中国製ドローンに対する懸念がたびたび議題に挙がっている。連邦議会下院の「米国と中国共産党間の戦略的競争に関する特別委員会(中国特別委)」は2024年6月に、「半導体・造船・ドローン産業を支配する中国の戦略への対抗」と題した公聴会を開催した()。また、9月には下院で、連邦通信委員会(FCC)によるプログラムが、連邦資金を使って中国のドローンメーカーのDJIの機器の購入などを禁止する「中国製ドローン対抗法案(Countering CCP Drones Act)」が可決された。なお、同法案は上院では審議されず、成立はしなかった(米国通商専門誌「インサイドUSトレード」2025年1月2日)。仮に今後、同様の法案を成立させるためには、2025年1月から始まった現在の第119議会で、あらためて上下両院で可決される必要がある。
(注)ICTS保護規則では、外国の敵対者に、中国(香港とマカオを含む)、キューバ、イラン、北朝鮮、ロシア、およびベネズエラの政治家(現大統領)ニコラス・マドゥロ氏(マドゥロ体制)の6つが指定されている。
(赤平大寿)
(米国、中国)
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