欧州の研究機関、エコデザイン規則実施に向け製品を優先順位付け

(EU)

ブリュッセル発

2024年12月05日

欧州委員会の共同研究センター(JRC)は11月22日、EU域内市場に流通する製品の環境要件を定める「持続可能な製品のためのエコデザイン規則(ESPR)」(注)に関し、欧州委が効果的に製品を策定できるよう、優先順位を分析した報告書を発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。欧州委は2025年4月19日までに第1回作業計画を行い、委任立法を策定し、2年後に適用開始となる。報告書は33製品から、消費者に直接販売され使用される最終製品と、鉄鋼・アルミニウム製品など中間財に分類し、同規則により環境負荷の低減や、EUの戦略的自律性を高める可能性など、11項目で18製品グループを評価した(添付資料表参照)。

最終製品(繊維製品、家具、タイヤ、マットレス、洗剤、塗料、化粧水、潤滑剤、玩具、釣り具、吸収性のある衛生用品)では、繊維製品、家具、タイヤは、複数の環境カテゴリーだけでなく、特に資源効率面で同規則を導入した場合に得られる改善効果が高いと評価した。一方、EUの戦略的自律性への貢献は、タイヤを除いて低い。中間財(鉄・鉄鋼、化学品、非鉄・非アルミ金属製品、アルミニウム、プラスチック、パルプ・紙、ガラス)では、鉄・鉄鋼、化学品、非鉄・非アルミ金属製品の3グループが、環境カテゴリー(廃棄物発生、気候変動、エネルギー消費)で高い改善の可能性を示した。また、これらの中間財はEUの戦略的自律性への貢献でも比較的高い得点を示した。

(注)詳細はジェトロ調査レポート「EU循環型経済関連法の最新概要」(2024年11月)を参照。

(大中登紀子)

(EU)

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