韓国の現代自動車、米ジョージア州のEV工場に大型水素燃料電池トラック配備を発表
(米国、韓国)
アトランタ発
2024年12月12日
米国ジョージア州ブライアン郡で電気自動車(EV)およびバッテリー工場を操業する現代自動車グループ・メタプラント・アメリカ(HMGMA)(2022年5月23日記事参照)は12月4日、同グループの物流会社であるグロービス・アメリカと協力し、クリーンな物流業務のため、同グループのクラス8(注1)水素燃料電池トラック「エクシェント」を配備したと発表した。
初期展開として、グロービス・アメリカがHMGMAに配備するトラックの3分の1以上に相当する21台の水素燃料電池トラックが稼働する。まず、近隣のサプライヤーから出荷される部品をHMGMAまで毎日輸送し、今後、より広範なサプライヤー網に対象を拡大する予定だ。また、現代自動車とグロービス・アメリカの合弁会社のHTWOロジスティクスが、効率的な燃料補給を目的とした移動式水素補給ステーションをHMGMAに設置する。
現代自動車グループは、2024年1月に開催されたハイテク技術見本市「CES 2024」()で、水素エネルギー・エコシステムに関する将来の青写真を発表するとともに、ジョージア州の関係者とともに、HMGMAでの水素燃料電池トラック供給計画の推進を表明していた。同グループは、2050年までのカーボンニュートラル達成を目指しており、水素エネルギーを目標達成に重要な役割を果たすものと位置付けている。また、2024年5月に開催された米国の最先端のゼロエミッション・テクノロジーを用いた商用車両の展示会「ACT EXPO2024」(米「ACT EXPO2024」開催、ホンダは水素燃料電池搭載のブラック)では、HMGMAでの水素燃料電池トラック配備を表明していた(注2)。加えて、同グループは2023年9月、ジョージア工科大学と、持続可能なモビリティ、水素経済、労働力開発について変革的パートナーシップを構築する覚書を交わしている。
同州のブライアン・ケンプ知事(共和党)はジョージアをeモビリティの中心州にするという目標を掲げており、2023年8月には州運輸省に対し、同州での商用車用水素燃料ステーションの展開に向け、民間セクターのパートナーと協力するプロセスを開始するよう指示している(米ジョージア州、水素ステーションの展開に向けたカード)。水素ステーション配備の中心となる可能性がある路線として、サバンナ港近くの州間高速道路16号線、サバンナ港とHMGMAを結ぶ23マイル(約37キロ)の区間が挙げられた。
なお、HMGMAは2024年11月、世界最大規模の自動車展示会であるオート・モビリティLA2024で、HMGMAで生産される2種目の車両が全電動3列スポーツ用多目的車(SUV)のアイオニック9だと発表している。
(注1)人員、貨物などを含む車両総重量が3万3,001ポンド(約15トン)以上の重さの大型トラック。
(注2)HMGMAでの配備のほか、2024年から港湾運送業務に用いられる車両のゼロエミッション技術の実装が開始されているカリフォルニア州では、オークランド港に「エクシェント」30台を投入することを表明している(トランプ ゲーム ブラック)。
(横山華子)
(米国、韓国)
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