カナダ自動車部品大手マグナ、約2億ドル投じて米サウスカロライナ州での事業拡大へ
(米国、カナダ)
アトランタ発
2024年12月11日
米国のサウスカロライナ州商務省は12月4日、カナダの大手自動車部品サプライヤーのマグナ・インターナショナルが同州グリーンビル郡ピードモントで新施設建設と既存施設拡張を行うと発表した。
両施設は、同社の製造部門であるドライブ・オートモーティブ・インダストリーズ・アメリカの施設で、既存施設拡張に1億200万ドル、新施設建設に9,290万ドルを投じ、それぞれ50人と150人の新規雇用を見込む。いずれの施設でも、乗用車や小型トラック、商用車用の部品を生産する。新施設は面積62万5,000平方フィート(約5万8,000平方メートル)で、2025年第1四半期(1~3月)の操業開始を予定している。
同社はエレクトロニクスから車体、パワートレイン、完成車生産までを幅広く扱い、58のOEM(完成車メーカー)に製品を供給している。米国内には58の製造工場と、エンジニアリング、製品開発、販売のための17拠点を有する。サウスカロライナ州では、1994年にグリーンビル郡で操業を開始し、拡張を経て、BMW車両向けのシートや外装部品、塗装のほか、ミラーシステムの生産などを主に手がけている。また、2023年7月には7億9,000万ドル以上を投じて、テネシー州に電気自動車(EV)やトラック用部品の工場を3つ建設することを発表しており、2025年に操業開始予定だ。そのうちの2工場は、フォードが同州に建設中の「ブルーオーバルシティ」に建設される(関連オンライン カジノ ブラック)。
マグナ・ボディー・アンド・シャーシグループのジョン・オハラ社長は「マグナ・インターナショナルは30年以上にわたってグリーンビル郡の地域社会の一員であり、地域の熟練した多様な労働力の恩恵を受け、自社の技術革新と顧客価値を高めてきた。われわれはさらなる成長を遂げ、この活気ある地域に不可欠な存在であり続けることを楽しみにしている」と述べた。ヘンリー・マクマスター知事(共和党)は「マグナ・インターナショナルのグリーンビル郡への最新の投資は、自動車産業が集積するわが州の評判をさらに強固なものにする」と語った。
なお、同州経済開発調整評議会は新施設建設に関する雇用開発クレジット(注1)を承認するとともに、施設設置、改修費用を支援するため、経済開発セットアサイドプログラム(注2)の補助金として、グリーンビル郡に50万ドルを交付した。
(注1)サウスカロライナ州に事業施設を立地、または拡張するコストを相殺するための資金を企業に提供する優遇措置。
(注2)サウスカロライナ州への企業立地や事業拡大を支援する州の補助金プログラム。地方自治体が負担する道路や敷地の改良のほか、企業立地や事業拡大関連費用を補助する。
(横山華子)
(米国、カナダ)
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