在ロシア日系企業、景況感やや上向くも、競争激化や人員不足が重荷に、オンライン ブラック ジャック調査
(ロシア、日本)
調査部欧州課
2024年12月11日
オンライン ブラック ジャックは11月5~21日、ロシアのモスクワ・ジャパンクラブに加盟する131社・団体の景況感を調査した(回答企業・団体数58、有効回答率44.3%)。今回の景況DI(注)はマイナス35で、前回調査(5月、在ロシア日系企業の景況感は3期ぶりに低下、オンライン)のマイナス50と比べ、15ポイント上昇した。2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻以降、8期連続でマイナスが続く状況には変わりないものの、同期間内では景況DIは最も高い数値となった(添付資料図参照)。
DIが上昇した背景として、ロシア市場での需要拡大についての指摘があった。ロシアに生産拠点を有する企業のほか、一部のサービス業やメーカーの販売会社などが、景気は「良い」と回答した。
その一方で、時間の経過とともにロシアでのビジネス環境が厳しくなっているという指摘も少なくない。インフレによるコスト高、いまだに解消されない人手不足といった従前の課題のほか、今回の調査では、「中国やロシアの地場企業との競争が激化している」という声が目立った。在庫管理の面でも、制裁対象外で調達可能な商品でも「入荷時期が未定のため、過剰在庫になりがち」との課題が挙がった。足元の景況感はやや上向きつつも、先行き不透明な状況下で企業は引き続き厳しい事業環境にさらされている。
ロシア進出日系企業の状況については、オンライン ブラック ジャックが2024年9月に実施した「」も参照のこと。
(注)景気動向指数:ディフュージョン・インデックス(Diffusion Index)の略。景況DIは、「良い」と回答した企業の比率から「悪い」とした比率を引いた数値。
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(ロシア、日本)
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