テマセク基金が環境技術を公募、優勝賞金は1億円超
(シンガポール)
シンガポール発
2024年12月16日
シンガポールの非営利団体テマセク基金は、気候変動への対応や脱炭素に貢献する環境技術公募「ザ・リバビリティー・チャレンジ2025」を実施中だ。同公募は、優勝した企業・団体に最大100万シンガポール・ドル(約1億1,300万円、Sドル、1Sドル=約113円)の資金を供与するアジア最大級の環境技術の公募で、2025年2月9日に締め切られる。
テマセク基金は2018年から同技術公募を実施しており、今回で8回目となる。2025年の公募のテーマは、(1)二酸化炭素(CO2)の排出削減と(2)地球温暖化を中心とした気候変動への対応の2つだ。1つ目のCO2排出削減技術は、バイオマスなど廃棄物処理やCO2の回収・貯留、再生可能エネルギー発電、省エネなどの新しい技術が含まれる。また、2つ目の気候変動対応技術は、農作物の熱波対応や海藻の効率的な生産、マングローブ再生など気候変動によって打撃を受けやすい農民や漁民など人々の暮らしを守るための技術を募集している。
同公募の応募条件として、概念実証(PoC)の段階で、技術成熟度レベル(Technology Readiness Levels:TRL)が6以上の必要がある。また、応募者の国籍は問わないが、提案するプロジェクトがシンガポールまたは東南アジアに適応可能な技術であることが条件となる。
最終選考に選ばれた企業・団体は、2025年5月7~8日にピッチコンテストに出場する予定だ。前回の公募「ザ・リバビリティー・チャレンジ2024」では2024年4月17日に、コオロギ由来の昆虫食を開発するベトナムのクリケット・ワンと、持続可能な航空燃料(SAF)を開発するオランダのガフトが優勝した(2024年4月30日記事参照)。
今回の公募の詳細と申し込み方法は、ザ・リバビリティー・チャレンジのホームページを参照。
(本田智津絵)
(シンガポール)
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