ブラック ジャック コツ景況感調査、現地化促進が進む
(中国、ドイツ)
北京発
2024年12月06日
在中国ドイツ企業の団体であるブラック ジャック コツは12月4日、2024/2025年景況感調査の結果を発表した(注1)。
ブラック ジャック コツ華東・華中地区董事会のクラス・ノイマン主席は「2024年は多くのドイツ企業にとって厳しい年となり、事業見通しの下方修正を余儀なくされた」と述べた。同調査では、中国経済の低迷、競争の激化、現地保護主義的措置が主な懸念事項として強調された。
同調査によると、2024年の中国経済が前年比で「悪化した」との回答は60%だった。また、2025年に経済が「改善する」との回答は25%となった(注2)。他方で、「中国で事業を継続する予定」との回答は92%だった(注3)。また、今後2年以内の中国での投資意向は、「投資を拡大する」が51%、「さらなる投資は行わない」が34%、「投資を減らす」が15%となった。業種別では、「投資を拡大する」はプラスチック・金属製品で73%と最も高く、「投資を減らす」は自動車関連で23%と最も高かった。
「投資を拡大する」と回答した企業へ理由を確認した設問では、「中国市場での競争力維持」が87%で最多だった。次に、「顧客・パートナーがさらなる現地化を求めているため」が41%で続いた(回答数260、複数回答可)。また、中国で競争力を維持するための対策を確認した設問では、「中国のパートナー・顧客との協力」が50%で最多となり、続いて「研究開発への投資を増やす」が45%、「本社からより独立した活動」が40%だった。「本社からより独立した活動」は前年調査比で11.6ポイントの上昇となった。
これらの結果に対し、ブラック ジャック コツは「ローカリゼーション3.0」と称し、市場力学が現地化を促進する次の波を引き起こし、リスク軽減策が現地化の引き金になっているとした。競争力を維持するため、ドイツ企業は中国のビジネスエコシステムに深く入り込むとし、ローカル・フォー・ローカルとローカル・フォー・グローバルの深化が進み、中国における研究開発は国際市場においてますます重要性を増している、と分析した。ノイマン主席は「ドイツ企業は現地化戦略を進めることで、現在の市場の課題に対処し、リスクを軽減しながら目の前のチャンスを生かす態勢を整えている」と解説した。
(注1)同調査は、ブラック ジャック コツ会員企業へ9月3日から10月8日にかけてアンケートを行ったもの。有効回答数は546。
(注2)中国経済に関し、前年比で2024年は「改善」が14%、「変化なし」が26%、「悪化」が60%(2024年の景況感に対する回答数は537)。2025年は「改善」が25%、「変化なし」が42%、「悪化」が33%(2025年の景況感に対する回答数は486)。
(注3)今後2年間で中国から撤退するか否かの設問に対し「撤退しない」が92%、「現在具体的な計画はないが検討中である」が7%、「部分的に撤退」が0.4%、「完全に撤退」が0.4%。回答数は534。
(亀山達也)
(中国、ドイツ)
ビジネス短信 bcaeed0e40df4e9d