11月の貿易赤字は378億ドルに拡大、金輸入が大幅増
(インド)
ムンバイ発
2024年12月20日
インド商工省(MoCI)が12月16日に発表した「貿易統計(速報値)」によると、11月の貿易収支は378億ドルの赤字だった(添付資料図参照)。貿易赤字は2020年6月以降続いており、輸出の減少や金の大幅な輸入増加などにより、前月(271億ドル)から39.5%拡大した。輸出額(サービスを除く)は321億1,499万ドルで前年同月比4.8%減少、輸入額は699億5,149万ドルで同27.0%増加した。
輸出額の内訳を見ると、金額の大きいエンジニアリング製品88億9,764万ドル(前年同月比13.8%増)、電子製品34億6,764万ドル(54.7%増)、医薬品21億6,006万ドル(1.1%増)などが増加した。一方で、石油製品37億1,775万ドル(49.7%減)、宝石類20億6,658万ドル(26.3%減)、有機・無機化学製品19億8,742万ドル(4.1%減)などは減少した。
輸入額に関しては、輸入額全体の4分の1弱を占める石油製品・原油が161億1,107万ドルで前年同月比7.9%増加、金が148億6,048万ドル(約4.3倍)と大幅に増加したほか、電子製品76億2,010万ドル(17.4%増)、電気・一般機械44億9,157万ドル(12.9%増)などが増加した。一方で、輸送機器25億9,896万ドル(5.2%減)などは減少となった。
現地報道では、「2024年の年明け以降、投資資産としての金のパフォーマンスが好調だった。輸入の増加は、安全資産としての金に対する投資家の信頼が高まったためでもある」との商工省高官の発言や、「金の輸入量の増加は、祝祭や結婚に関連した(季節)需要に牽引されたもので、今後数カ月間持続する可能性は低いだろう」とのエコノミストの声を紹介している(「ビジネス・スタンダード」紙12月16日)。
(篠田正大)
(インド)
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