日立エナジー、チェコで高電圧製品の生産拡大へ

(チェコ、日本)

プラハ発

2024年12月10日

日立エナジーは12月4日、チェコ南部ブルノの高電圧送電網製品の生産拠点を拡大すると発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。拡大完了は2025年末の予定で、投資額は約11億コルナ〔約4,700万ドル、約69億円(1コルナ=約6.3円、12月6日チェコ国立銀行為替レート)〕。同社は生産能力の40%増大、200人の新規雇用を見込んでいる。

日立エナジーは、日立製作所がスイスに本社を置く重電大手ABBの送配電網事業を買収して、2020年に設立した日立ABBパワーグリッドを前身とする。2021年に現社名に変更した。

ブルノ事業所は2019年にABBパワーグリッド・チェコとして登記され、2021年11月に日立エナジー・チェコに改名された。現在450人を雇用し、管路気中送電線(GIL、注1)やガス絶縁開閉装置(GIS、注2)の製造を行っている。これらの製品は、再生可能エネルギー(再エネ)源を送電網に統合し、送電網の信頼性を向上させることで、世界のエネルギーシステムの安定を図る上で重要な役割を果たしている。

同工場の拡大は、日立エナジーが進めている世界的なクリーンエネルギーへの変革戦略に基づき、欧州での生産強化プロジェクトの一環として実現するものだ。同社は世界的な生産拡大、デジタル化、研究開発などに総計60億ドルを投じ、1万5,000人を新規雇用することを予定している。

日立エナジーの高電圧製品事業部門、グローバルオペレーション責任者のディルク・ウーデ氏は「ガス絶縁開閉装置の世界市場は2050年までに2.4倍となり、600億ドルの規模に達すると予想されている。ブルノ工場は、再エネ統合の支援と送配電網の信頼性向上を目指す日立エナジーの戦略の中心的存在となっている」と述べた。

(注1)金属パイプに収納した導体を6フッ化硫黄ガスで絶縁した送電線路。

(注2)断路器や遮断器を、6フッ化硫黄ガスが充填(じゅうてん)された密閉容器内に設置した開閉装置。

(中川圭子)

(チェコ、日本)

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