トルコ・英国間で「エネルギーと気候対話」覚書を締結

(トルコ、英国)

イスタンブール発

2024年12月03日

トルコのアルパルスラン・バイラクタル・エネルギー・天然資源相は11月29日、英国を訪問外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、同国のエド・ミリバンド・エネルギー安全保障・ネットゼロ相と会談した。バイラクタル・エネルギー・天然資源相は、両国間でクリーンエネルギーへの移行、低炭素水素経済、送電網の近代化、地域間相互接続、小型モジュール型原子炉などに関する協力などを含む「エネルギーと気候対話」に関する覚書に締結したと発表した。

バイラクタル・エネルギー・天然資源相はまた、今回の訪問でJPモルガン主催のグリーンファイナンス投資会議や英国輸出信用保証局(UKEF)、ロールスロイスや石油ガス大手BPの幹部とも会談した。同相は会談後、英国での記者会見外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、トルコの風力と太陽エネルギーの容量を30ギガワット(GW)から120GWに増加する2035年のロードマップについて(ブラック ジャック ストラテジー)、トルコ政府は1,080億ドルの投資を計画しており、UKEFはトルコの再生可能エネルギープロジェクトに20億ポンド(約3,800億円、1ポンド=約190円)の融資を計画していると述べた。この投資計画の中で、2万4,000メガワット(MW)の再エネ容量、洋上風力発電、再エネ資源地域(YEKA)計画外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが重要になると強調した。

また、ロシア産天然ガス貿易の支払いに使用される、ロシアのガスプロム銀行が米国の制裁リストにあがったことに触れ、トルコのロシア産天然ガス輸入を妨げるいかなる制裁にも反対する姿勢を示した。同相は、天然ガスが代替の難しい製品であること、ロシアからの輸入がトルコ国内ガス消費量の大半を占め、同国がトルコにとって重要かつ安全な供給国であると強調した。

さらに、2024年12月31日に失効する、ウクライナ経由による欧州へのロシア産天然ガスパイプライン協定に関しても、延長する可能性があるとし、トルコが延長に向けた支援の準備があると述べた。

(井口南)

(トルコ、英国)

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