11月の消費者物価上昇率は前年同月比0.95%、8カ月連続のプラスも、目標範囲を依然下回る
(タイ)
バンコク発
2024年12月18日
タイ商務省が12月4日に発表した11月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比で0.95%となり、前月の上昇率(0.83%)から伸びが拡大し、8カ月連続のプラスだった(添付資料表参照)。他方、前月比ではマイナス0.13%で、前月(マイナス0.06%)から引き続きマイナスだった。
同省によると、前年に比べて軽油価格が上がり、生鮮果物やノンアルコール飲料などの価格も上昇した。振れ幅の大きいエネルギーと生鮮食品を除くコア指数の上昇率は0.80%で、前月(0.77%)から加速した。
1~11月のCPI上昇率は前年同期比0.32%だった。通年予測は0.2%~0.8%としており、中央銀行(BOT)が設定するターゲットレンジ(1.0~3.0%)を引き続き下回る見込みとするほか、2025年は0.3%~1.3%と見込む。
政府からは追加の金融緩和を求める声も聞かれる中、中銀は第3四半期(7~9月)金融レポートで、現状の低インフレ率については、需要が弱まり、物価が長期期間にわたって下がり続けるデフレーションの兆候を示すものではなく、懸念すべき状況ではないとしている。また、低インフレ率が特に低所得者層の生計費負担を緩和する役割を果たしているとの見解も示している。
次回の金融政策委員会は12月18日に開催される予定だ。
(藤田豊)
(タイ)
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