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(世界、英国)

調査部欧州課

2024年12月04日

WTOは11月21日に発表の報告書で、人工知能(AI)がどのように貿易コストを削減し、サービス貿易を再形成し、AI関連の商品やサービスの貿易を増加させ、経済の比較優位性を再定義できるかについて論じている。

また、AI規制へのアプローチの細分化が進んでいることも強調しており、これが中小・零細企業の貿易機会に特に影響を与える可能性があると言及する。

WTOのンゴジ・オコンジョ=イウェアラ事務局長は「本報告書は、WTOがAIの開発と導入をどのように促進し、AIに関連するリスクや規制の細分化に関してどのように貢献できるかについて議論することを目的としている」と言明した。

報告書の概要は次のとおり。

AIは、貿易物流、サプライチェーン管理、規制順守に関連する貿易コストの削減に役立てられる。例えば、通関プロセスや国境管理の自動化と合理化、複雑な貿易規制やコンプライアンス要件への対処、リスクの予測に利用できる。

AIの普遍的な導入と2040年までの高い生産性成長というシナリオの下では、世界の実質貿易の伸びはほぼ14ポイント増加する可能性があると推定しており、高所得経済圏では生産性が最も大きく向上すると予想され、低所得経済圏では貿易コストを削減できる可能性が高くなるとする。

一方で、データガバナンスの課題やAIの信頼性を確保する必要性とともに、経済間および大企業と中小企業の間でAI格差が拡大するリスクを警告。WTOが政策の一貫性を促進し、AIガバナンスの貿易関連側面に対処するのに役立つ多国間枠組みを提供することを強調した。

また、ジュネーブで11月21日に開催されたWTOのAI会議において、英国のマーガレット・ベリル・ジョーンズ政務次官(未来デジタル経済・オンライン安全担当)は、そのキーノートスピーチで「AIはほかのどの技術よりも、今後数十年の私たちの生活全てをかたち作る技術である。世界経済フォーラムの最近の予測では、生成AIが世界経済に年間4兆4,000億ドルをもたらすとされている」と述べ、「英国政府は、デジタルとテクノロジーの野望を実現するため、国際的な協力に尽力する」と言及した。

(坂本裕司)

(世界、英国)

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