金杯(瀋陽)自動車と吉利遠程新エネルギー、共同開発の新エネルギー車をラインオフ
(中国)
大連発
2024年12月18日
中国の金杯(瀋陽)自動車(注、以下「金杯」)は12月5日、浙江吉利ホールディングスグループ傘下の吉利遠程新エネルギー商用車集団(以下、吉利遠程)と共同開発した新エネルギー車「吉運」の製品をラインオフ(組み立て終了・商品化)した。
今回ラインオフしたのは商用車の2車種(金杯吉運E6、E9)で、宅配などの配達用に広く利用できる。遼寧日報(遼寧省共産党委員会機関紙)によると、金杯は今後、吉利のメタノール・水素電動技術を段階的に導入して、小型バスなどの車種を開発し、ラインアップを順次増やしていくとした。
また、吉利ホールディングスグループは、遼寧省の豊かな風力やソーラー資源を最大限に活用してメタノール・水素電気自動車(EV)を開発し、メタノール補給ステーションの建設においても協力を推進していきたいとしている。
メタノール・水素電動技術は、寒冷地域で自動車の航続距離減衰の問題を有効的に解決できるため、中国北方地域における新エネルギー車利用の新たなソリューションと考えられている。金杯と吉利遠程は、2025年内に中国北方地域向け専用モデルとして「E9」のメタノール・水素EVを開発・投入する予定としている。
(注)金杯は、中国商用車の販売台数では全国的にも上位に位置づけられるブランドだ。前身は華晨ルノー金杯自動車で、2021年に破産により操業停止となったが、法律に基づく再編を経て、2024年に再稼働するに至った。
(李穎)
(中国)
ビジネス短信 882108b4c04efa8e