第4回サウジ・グリーン・イニシアチブ・フォーラムが開催
(サウジアラビア)
リヤド発
2024年12月12日
「第4回サウジ・グリーン・イニシアチブ(Saudi Green Initiative:SGI)・フォーラム」が12月3~4日、中東地域では初となる国連砂漠化対処条約(UNCCD)第16回締約国会議(COP16)(注1)の開催中、サウジアラビアの首都リヤドで開催された。
2024年のテーマは「行動することが私たちの本質」とし、同国のアブドゥルアジーズ・ビン・サルマン・エネルギー相が開会宣言を行い、エネルギー転換における同国の進捗状況と、女性と若者の重要な役割に焦点を当てた。
2日間にわたるフォーラムでは、25のセッションで50人の講演者が登壇し、官民セクターから1,500人以上が参加し、COP16アジェンダの戦略的優先事項を基に、次の5つの主要な柱を中心に世界的な気候変動問題に対する議論が行われた。
- 地球環境保全のための土地緑化
- 排出削減を促進するエネルギー革新
- 持続可能な生活のためのグリーン移行への資金調達
- 気候と地域社会の回復力のための自然ベースの解決策
- 気候回復力の鍵となる生物多様性の保護
また、同国は総額2億2,500万リヤル(約90億円、1リヤル=約40円)の5つの新たな取り組みの立ち上げ発表や14件の覚書への署名も行った。イベントの1つには、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子兼首相、サウジ・グリーン・イニシアチブ最高委員会委員長が12月4日に発表した「紅海持続可能国家戦略(注2)」に関するセッションも含まれた。
SGIフォーラムの会場ではCOP16の期間中、専門家らがセッションを行う「SGIトークス」や、サウジアラビア全土で行われている気候変動対策の取り組みを紹介する「SGIギャラリー」を一般公開している。2024年からはキッズゾーンも加わり、環境問題への理解を深める機会を提供する。
(注1)国連砂漠化対処条約(UNCCD)第16回締約国会議(COP16)は12月2日から13日まで開催されている。COP16会場は、国連が管理し、本会議場を含む「ブルーゾーン」と、一般参加者も入場可能な「グリーンゾーン」の2つの区域に分かれており、SGIフォーラムは「グリーンゾーン」で開催された。
(注2)紅海持続可能国家戦略は、紅海の生物多様性を保護し、地域社会に力を与え、ブルーエコノミーへの移行を開拓するもので、「ビジョン2030」の目標に沿って、経済の多様化を実現する戦略。
(平田若菜)
(サウジアラビア)
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