実写 版 ブラック ジャック、政権は控訴
(米国)
調査部米州課
2024年12月19日
米国では2024年1月1日に、企業を通じた国家安全保障を脅かす違法活動を取り締まるため、連邦レベルのルールとして、在米企業を対象に、実質的所有者実写 版 ブラック ジャック(BOI)報告に関する規則が発効した(注)。該当する企業(以下、報告会社)の大半は2025年1月1日までに、財務省の金融犯罪取締ネットワーク局(FinCEN)に、定められた実写 版 ブラック ジャックを報告することが義務付けられている(在米企業に罰則伴う報告義務、ブラック ジャック参照)。既に個別法で企業実写 版 ブラック ジャックの報告義務が課されている業種を除いた企業が対象で、中小企業の大半は義務の対象になると考えられている。
同規則に対し、テキサス州東部地区連邦地方裁判所が12月3日、次の趣旨の仮差し止め命令を発出した。
- 企業透明化法(CTA)とBOI報告提出義務の施行の差し止め
- BOI報告期限を延期
- 差し止め命令はテキサス州のみでなく、米国全土に適用される
命令は、CTAとBOI報告義務の内容が合衆国憲法によって付与された連邦議会の権限を越えるもので、違憲の可能性が高いことを理由としている。
この判決に対し、米国司法省は12月5日、FinCENの代理で第5巡回区連邦控訴裁判所に控訴状を提出した。今後、同裁判所が地裁判決の効力をなくす可能性もあり、その場合、報告会社は当初の予定どおり、規則に基づく報告義務を負うことになる。
12月18日時点でFinCENのBOIに関するウェブサイトには「進行中の訴訟の影響 – 報告期限は維持 - 自発的な提出のみ」との警告が掲載されている。地裁命令が有効な間、報告会社はFinCENへの報告を行わなくても法的責任を負わない一方、規則で定められた方法での報告を妨げないとしている。
状況は流動的なため、まだ報告を済ませていない報告会社は、報告の準備・検討を継続し、今後の状況を注視する態勢を整えることが推奨される。
(注)同規則は、2021年1月1日に制定された企業透明化法(CTA)に基づくもの。
(本井秀樹)
(米国)
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