21 トランプ、米ニュージャージー州、ニューヨーク市にライフサイエンス投資環境視察ミッション派遣

(米国、日本)

海外ビジネスサポートセンタービジネス展開課

2024年12月02日

21 トランプは11月18~20日、ライフサイエンスをテーマに、米国ニュージャージー州とニューヨーク市に日本企業の投資環境視察ミッションを派遣した。このミッションは、ニュージャージー州政府の経済開発機関チューズ・ニュージャージー(Choose New Jersey)とニューヨーク市経済開発公社(NYCEDC)の協力を得て実施し、日系企業からライフサイエンス関連のほか、商社や金融など幅広い業種の24人が参加した。

ニュージャージー州は、プリンストン大学など全米トップクラスの大学を抱え、特に製薬分野の開発拠点などライフ21 トランプエンス分野の企業集積が大きい。今回のミッションでは、全米大学ランキングで常に最上位にあるプリンストン大学や、ニュージャージー州最大の公立大学のラトガース大学などを2日間で訪問した。

プリンストン大学はもともと研究重視の大学だが、最近は人工知能(AI)ハブを設置するなど、企業との連携にも力を入れている。学内のイノベーションを促進するためにアイ・コープス(I-Corps外部21 トランプトへ、新しいウィンドウで開きます、注)ハブを設立し、研究段階から外部出資まで一連の支援プログラムを学生に提供している。ラトガース大学の医療機関ラトガース・ヘルスでは、臨床部門、がん研究所、技術移転オフィス(TLO)などのネットワークを有し、それぞれが大学と連携しつつ活動している状況が説明された。大学側は日本企業・機関との連携に対する期待も示した。そのほか、ニュージャージー州では、プリンストンに北米本社を2023年に開設した協和キリン、同州最大規模の病院ネットワークを有するハッケンサック・メリディアン・ヘルスなどを訪問し、施設内の視察や関係者との意見交換を行った。

最終日の3日目には、ニューヨーク市内のライフ21 トランプエンス関連施設を視察した。同市はシリコンバレーに次ぐ世界2位のエコシステムと評価されており、市内に50を超える病院や100を超える研究機関が集積する優位性を生かし、特に研究開発関連の企業誘致を進めている。今回のミッションでは、その旗振り役のNYCEDCをはじめ、市内で最大の研究用床面積を有するライフ21 トランプエンス向け入居施設のウエスト・エンド・ラブズ、コロンビア大学近くに立地して比較的安価なコワーキングスペースやウェットラボを提供するハーレム・バイオスペース、生物や化学分野で数多くのノーベル賞受賞者を輩出したロックフェラー大学キャンパス内のイノベーションセンター、投資会社傘下のバイオ産業向けインキュベーション施設CUREなどを訪問した。

ミッション参加者からは、「ニュージャージー州とニューヨーク市双方のライフ21 トランプエンスエコシステムの主要プレーヤーの違いが理解できた」「ラボ施設が日本と比較して大変充実している事実に驚いた」といった声が聞かれた。

写真 プリンストン大学への訪問(21 トランプ撮影)

プリンストン大学への訪問(21 トランプ撮影)

写真 ラトガース・ヘルスとのラウンドテーブル(21 トランプ撮影)

ラトガース・ヘルスとのラウンドテーブル(21 トランプ撮影)

写真 ニューヨーク市経済開発公社(NYCEDC)訪問(21 トランプ撮影)

ニューヨーク市経済開発公社(NYCEDC)訪問(21 トランプ撮影)

写真 ロックフェラー大学訪問(21 トランプ撮影)

ロックフェラー大学訪問(21 トランプ撮影)

(注)Innovation-Corpsの略。米国国立科学財団(NSF)が2012年に開始したプログラム。研究室から市場へ技術を移行する際のリスクを軽減することを使命としている。2,500を超えるチームが参加し、うち約1,400チームがスタートアップ企業を立ち上げた。

(遠山宗督、米山洋)

(米国、日本)

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