新旧首相がトランプ氏に祝辞、産業界はカンボジアへの投資や対米輸出の増加に期待

(カンボジア、米国)

プノンペン発

2024年12月03日

米国大統領選挙でのドナルド・トランプ氏の勝利を受け(米大統領選、共和党トランプ氏の勝利確実、ブラック)、フン・マネット首相は11月6日にトランプ氏に祝辞を送り、「2025年に迎える米国とカンボジアの外交関係樹立75周年に向け、良好な2国間関係をさらなる高みに引き上げるために米国と協力したい」と伝えた。フン・セン前首相(現上院議長)も同日に祝辞を送り、「カンボジアの上院議長として、両国と両国民の利益のために長年にわたる関係と協力をさらに強化し、新政権、米国議会、特に上院と緊密に連携していくことを約束する」と伝えた。

カンボジアでは、トランプ氏が掲げている中国に対する追加関税が注目されており、仮に導入された場合、中国による対カンボジア投資およびカンボジアから米国への輸出が増加する可能性が指摘されている。

ASEAN繊維産業連盟(AFTEX)のアルバート・タン会長は、近年の米中対立を受けて多くの中国系企業の縫製工場がカンボジアに進出していることに言及の上、縫製が盛んなバングラデシュのビジネス環境が政変によって不安定になっているため、カンボジアからの米国輸出が増加しており、今後もこの流れは続くだろう、と話した(ジェトロによるヒアリング11月7日)。

トランプ氏は1期目の2018年以降、中国の幅広い製品に追加関税を賦課し、中国から米国への輸出額を押し下げた。一方、カンボジアから米国への輸出額は、2017年時点で30億6,000万ドルだったが、2023年には115億9,000万ドルと、約3.8倍に増加した。この期間で最も輸出額が増えた品目は「電気機器・部品」(2023年輸出額:27億4,000万ドル)だった。次いで、「革製品・かばん類」「家具類」となり、衣類や履物が続いた(添付資料表参照)。

(若林康平)

(カンボジア、米国)

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