政策金利を11.25%に引き下げ
(ケニア)
ナイロビ発
2024年12月10日
ケニア国家統計局は11月29日、同月の消費者物価指数(CPI)上昇率が前年同月比2.8%だったと発表した。項目別でみると、食料・飲料が4.5%、住宅・水・電力・ガスが0.1%だった。交通は前月に続いて1.1%減となった。一部でキャベツ(40.6%)やジャガイモ(24.8%)、ニンジン(23.3%)など価格上昇の著しい項目もあるものの、全体としては為替の安定や好天による農業生産の好調を背景に、引き続き物価は安定している。
ケニア中央銀行(CBK)の金融政策委員会は12月5日、政策金利を0.75ポイント引き下げ、11.25%とすることを決めた。物価の安定を背景に金融緩和策を一層進めるべく、8月と10月に続く3度目の利下げに踏み切った。CBKが11月29日に発表した大手市中銀行の平均貸し出しレートは10月時点で、例えば、NCBA(19.15%)、ABSA(19.80%)、KCB(16.76%)、Equity Bank(16.18%)と高止まっている。CBKはさらなる政策金利の引き下げにより、貸し出しレートを引き下げたい考えだ。
ケニアのスタンビック銀行は12月4日、11月の製造業購買担当者景気指数(PMI)を50.9と発表した。前月より0.5ポイント上昇し、2カ月連続で景気判断の境目となる50を上回った。消費の改善や旅行の増加などが販売増に寄与し、過去半年で最も受注の伸びが著しかった。一方で、この改善は卸・小売業やサービス業に限られており、農業、製造業、建設は減少したとしている。同行エコノミストのクリストファー・レジリショ氏は「11月の状況は大きく改善したにもかかわらず、企業は依然として暗い見通しにとどまっている」と評価している。
(佐藤丈治)
(ケニア)
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