HOYAとBOEの合弁企業の重慶邁特光電、重慶で生産開始
(中国)
成都発
2024年12月20日
中国・重慶市両江新区が明らかにしたところによると、HOYA(本社:東京都新宿区)と、中国の大手液晶パネルメーカーの京東方科技集団(BOE、本社:北京市)との合弁企業の重慶邁特光電(Chongqing MasTek Electronics)は12月10日、同区に建設したフォトマスク工場で出荷式を開催した。
HOYAは2022年9月にBOEと重慶邁特光電を設立し、フラットパネルディスプレー用フォトマスクの工場を重慶市に設置すると公表していた。重慶市政府の発表によると、同工場は中国内陸初の大規模フォトマスク生産拠点として、2023年4月に工場の建設が開始され、2024年11月に生産が開始された。同工場の投資総額は22億元(約462億円、1元=約21円)、生産能力は年間2,250枚を予定している。
出荷式で、HOYAの池田英一郎・代表執行役最高経営責任者(CEO)は「今回のプロジェクトでは、BOEの人材資源の優位性と、HOYAのフラットパネルディスプレー用のフォトマスクプレートの製品開発・製造技術とを合わせることで、双方の強みを生かしたシナジー効果を発揮できる」と述べた。出荷式に出席したBOEの陳炎順董事長は「BOEは日本企業と緊密に協力してきた実績がある。このプロジェクトでは、中日両国のディスプレー分野での新たな取り組みで、両国の産業協力で重要なマイルストーンとなる。このプロジェクトを通し、われわれは世界一のフォトマスクメーカーとなり、ディスプレー産業と地域経済の質の高い発展をともに推進していく」と述べた。
重慶市は近年、新型ディスプレーを中心とした電子産業の発展を推進しており、同市には重慶邁特光電のほか、BOE、康佳集団(コンカグループ)、米国の特殊ガラス・セラミック大手のコーニング、オーストリアのプリント基板(PCB)大手のAT&Sなどが進出している。同市政府は2023年11月に「重慶市新型ディスプレー産業集積の質の高い発展に向けた行動計画(2023~2027年)」を発表した。2027年までに重慶市の新型ディスプレー産業の生産額を1,000億元以上に引き上げ、重慶市を世界的に影響力のある新型ディスプレー産業イノベーションエリアとすることを目標として掲げている。
(王植一)
(中国)
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