10月の自動車国内販売台数、4年半ぶりの低水準
(タイ)
バンコク発
2024年12月03日
タイ工業連盟(FTI)は11月25日、2024年10月の自動車生産台数が前年同月比25.1%減の11万8,842台だったと発表した(添付資料表参照)。今回の発表によると、10月の部門別では、乗用車が前年同月比17.1%減の4万7,481台、開放式の荷台がある小型貨物自動車・ピックアップトラックなどの商用車が29.7%減の7万1,361台だった。自動車生産台数全体の73.8%を占める輸出向けは7.0%減の8万7,741台、国内販売向けは51.7%減の3万1,101台だった。
2024年1~10月累計の自動車生産台数は、前年同期比19.3%減の124万6,868台だった。部門別では、乗用車が11.9%減の47万4,200台、ピックアップトラックなどの商用車が23.2%減の77万2,668台。また、輸出向けが4.7%減の86万1,916台、国内販売向けが39.9%減の38万4,952台だった。この結果を受けて、FTIでは2024年通年の自動車生産見通しを、年初計画の190万台、7月に下方修正した170万台から、150万台へと下方修正した(7月比では、国内販売向けを55万台から45万台、輸出向けは115万台から105万台に下方修正)。
国内販売台数では、家計債務上昇に伴う自動車ローンの審査厳格化により、10月は前年同月比36.1%減の3万7,691台で、4年半ぶりの低水準となった。1~10月累計は前年同期比26.2%減の47万6,350台だった。
企業の動向をみると、中国メーカー(注1)はバッテリー式電気自動車(BEV)を中心に、2024年に入っても販売の攻勢を強めており、1~9月累計の乗用車販売シェアは19.4%、2023年通年では17.1%だった。他方、日本メーカーのシェアは1~9月累計では63.2%で、2023年通年では67.0%だった(添付資料図1参照、注2)。
商用車販売シェアでは、1~9月累計の中国メーカーは4.8%、2023年通年では7.1%だった。日本メーカーのシェアは1~9月累計で84.4%、2023年通年では84.2%だった(添付資料図2参照)。自動車全体の総販売シェアをみると、中国メーカーの1~9月累計は11.9%、2023年通年では10.9%だった。日本メーカーの1~9月累計は76.2%、2023年通年は77.8%だった(添付資料図3参照)。
10月の完成車の輸出台数は前年同月比20.2%減の8万4,334台、その輸出額は23.1%減の約557億バーツ(約2,507億円、1バーツ=約4.5円)となった。完成車とエンジン、部品、スペアパーツを含む輸出額は19.8%減の約773億バーツだった。また、1~10月累計では、完成車の輸出台数が前年同期比8.0%減の85万3,221台、輸出額は0.5%減の約5,888億バーツ。完成車とエンジン、部品、スペアパーツを含む輸出額は0.4%増の約8,022億バーツだった。
(注1)中国企業には、長城汽車(GWM)や上海汽車(MG)、哪吒汽車(NETA)、BYDなどが含まれる。
(注2)国内販売台数に占めるブランド別のシェアは、本稿執筆時点(出所:タイ国トヨタ)で入手可能だった2024年1~9月のデータに基づいて作成している。
(高谷浩一、チャナットパット・スクマ)
(タイ)
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