中国の習国家主席がモロッコ訪問、「一帯一路」連携を確認

(モロッコ、中国)

ラバト発

2024年12月11日

モロッコと中国のメディア報道によると、中国の習近平国家主席はブラジルでのG20首脳会合参加の帰途、11月21日夜に政府特別機のテクニカルランディング(注)で、カサブランカに立ち寄り、ムーレイ・エル・ハッサン皇太子とアジス・アハヌッシュ首相の出迎えを受け、歓迎式典に出席した。習国家主席は1泊し、現地の中国関係者らとの交流も行い、22日には出発した。訪問に関して事前の公表はなかった。

習国家主席は皇太子との会談で、中国・アフリカ協力フォーラム(FOCAC)北京サミットと、中国・アラブ諸国協力フォーラム第10回閣僚級会議を踏まえ、成果を実行し、「一帯一路」構想の共同建設に向けた連携が多くの成果を生むよう後押ししたいと述べた。また、人的、文化交流を拡大し、両国の戦略パートナーシップが大きな発展を遂げるよう推進しなければならないとして、モロッコとの一層の戦略的交流促進に期待を示した。

中国企業の対モロッコ投資続く

中国企業は昨今、モロッコでのビジネス展開を加速している。モロッコの主要製造業となった自動車産業では、電気自動車(EV)用リチウムイオンバッテリー製造拠点の開設を発表し、部材を共有する中国企業も相次いで進出の意向を示している。

モロッコ政府は2030年サッカーワールドカップのモロッコとポルトガル、スペインとの共同開催に向けて、インフラ整備を進めており、高速鉄道のマラケシュまでの延伸工事に係る入札が始まっている。10月3日に分岐器関連施設工事で中国企業が落札したが、「モロッコ・ワールド・ニュース」紙の11月25日付報道によると、11月21日には高速鉄道の複数の高架橋の建設工事の入札結果が発表され、中国や地元企業4社が応札、中国葛洲壩集団(CHINA GEZHOUBA GROUP CO LTD)が23億2,000万ディルハム(約341億円、1ディルハム=約14.7円)で落札した。

(注)通常は長距離飛行の航空機が給油のみの目的で空港に着陸すること。

(本田雅英)

(モロッコ、中国)

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