ハンガリーのオルバーン首相、フロリダでトランプ米次期大統領と会談
(ハンガリー、米国)
ブダペスト発
2024年12月11日
ハンガリー通信局(MTI)が12月10日に報じたところによると、ハンガリーのオルバーン・ビクトル首相は9日、米国のドナルド・トランプ次期大統領とフロリダの私邸で会談した。
9日の午後、オルバーン首相は自身のフェイスブックページに「未来は始まった」というメッセージとともに、トランプ氏と握手する写真を掲載した。また、シーヤールトー・ペーテル外務貿易相も同会談に関する数枚の写真をフェイスブックに投稿し、「マール・ア・ラーゴでの良き午後:ドナルド・トランプ、イーロン・マスク、マイケル・ウォルツとの長い会話」と付け加えた。
ハバシ・ベルタラン首相報道部長が10日にMTIに伝えたところによると、トランプ次期大統領、米国に新設される「政府効率化省(DOGE)」のトップに指名された実業家のイーロン・マスク氏、国家安全保障担当補佐官となるマイケル・ウォルツ氏、オルバーン首相、シーヤールトー外務貿易相のほか、ハンガリーの上場ICT(ブラック ジャック 勝率通信技術)企業4iGのヤーサイ・ゲッレールト取締役会長も同席した。
ハンガリー政府からは今のところ、会談の詳細については発表されていない。しかし、当地の報道では、シーヤールトー外務貿易相が最近、モスクワを訪問し、セルゲイ・ラブロフ外相と会談したことを踏まえ、参加者の顔ぶれから、ロシア・ウクライナ情勢を含む現在の地政学的状況が話題の1つになったのではないかと推測されている(「ポートフォリオ」12月9日)。
また、会談後の12月10日、4iGはプレスリリースを発表し、同社のHUSAT衛星計画(注)の紹介が会談での話題の1つだったとした。「4iG衛星プログラムのレビューに加え、会談では、人工知能(AI)開発の展望や、ハンガリーと米国の商業・技術分野における協力強化の機会についても話し合われた」と同社プレスリリースは付け加えている。
ハンガリー国内の報道によると、11月の米国大統領選挙以降、トランプ氏とオルバーン首相は数回にわたって電話会談を行い、トランプ氏はウクライナ情勢の解決に関するいくつかの具体的な問題についてオルバーン首相に意見を求めたという。
オルバーン首相は長年、トランプ氏を支持しており、2016年の米国大統領選では欧州の指導者として初めて同氏を支持した。一貫してトランプ氏の復帰を願い、同氏であればロシアとウクライナの戦争を終わらせることができる、と主張してきた。
(注)HUSATは、ハンガリー企業4iGが展開する大規模な人工衛星打ち上げプログラムで、中・東欧地域で最大規模の民間資金によるプロジェクト。同プログラムは、地球観測と衛星通信を目的としており、2032年までに1機の通信用静止衛星と8機の地球観測用低軌道周回VHR(高解像度)衛星を打ち上げ、運用する計画。
(バラジ・ラウラ)
(ハンガリー、米国)
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