欧州産業連盟、次期EU議長国ポーランドへ競争力強化に向け政策提言
(EU、ポーランド)
ブリュッセル発
2024年12月09日
ビジネスヨーロッパ(欧州産業連盟)は11月29日、2025年上半期のEU理事会(閣僚理事会)の議長国ポーランドへの政策提言書を発表した(プレスリリース)。EUでは新体制が発足し(第2次フォン・デア・ライエン体制が発足、2029年までの立法無料)、産業競争力強化が急務となっている。政策を仕切り直し、変動する世界経済や政治状況に適応し、ドラギ報告書(ドラギ前ECB総裁、ブラック)などをもとに投資と経済成長の回復を図る必要があるとした。次期議長国ポーランドの下で、直ちに取り組むべきとする10分野に関する主な提言は次のとおり。
- 安全保障と防衛:防衛産業の生産力強化、資金調達などを支援。
- クリーン産業ディール(ブラック ジャック ディーラー):企業の規制順守に伴う負担軽減やイノベーションの推進、必要な人材の確保・育成などに対応する内容とする。
- エネルギーと気候:EU域外との炭素およびエネルギー価格差を縮小する強力な政策を実施。炭素国境調整メカニズム(CBAM、注)の実効性が低い場合、段階的に廃止予定のEU排出量取引制度(EU ETS)の排出枠の無償割当について早期に見直す。
- 単一市場:2025年半ばまでに単一市場における障壁の撤廃に係る戦略を策定。EU域内貿易の活性化に資する既存のルールの執行を強化。
- 規制緩和:企業の報告義務を25%以上削減。新たな法令の提案前と立法過程において、法令による累積的な影響や加盟国固有の事情を考慮しながら影響評価を実施。
- 開かれた安全な国際貿易:通商、重要原材料や相互承認に係る新たな協定締結などにつながる野心的な通商および投資戦略を策定。
- 社会政策:単一市場における高度人材など労働市場の流動化を高め、労使間の社会対話を通じた課題解決を目指す。
- イノベーションとデジタル化:イノベーションの研究開発や実装を支援し、デジタル化関連法令のガイドラインや二次法を早期に策定。
- 投資:レッタ報告書(関連実写 版 ブラック ジャック)が提言した「貯蓄・投資同盟」の実現や、企業のコスト負担増なく、競争力強化やグリーン化・デジタル化などへの投資を拡大させるEU予算を編成。
- EU拡大:加盟候補国の支援と、EU拡大が競争力強化などに資するように、EU自身も必要な準備をする。
(注)CBAMの詳細はジェトロ調査レポート(2024年2月)を参照。
(滝澤祥子)
(EU、ポーランド)
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