米メタ、ルイジアナ州に最大級のデータセンター建設

(米国)

ヒューストン発

2024年12月19日

ソーシャルメディアの大手メタは12月4日、米国ルイジアナ州リッチランド郡に100億ドルを投じて、人工知能(AI)データセンターを建設すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。メタにとって米国で23カ所目、世界で27カ所目のデータセンターとなる。直接雇用で500人以上、間接雇用で1,000人以上、建設関係ではピーク時に5,000人の雇用を見込む。12月に着工し、2030年までの工事を想定している。

敷地面積は400万平方フィート(約37万1,612平方メートル)で、同社最大級という。メタの最高経営責任者(CEO)のマーク・ザッカーバーグ氏はインスタグラムで、ルイジアナに新設するデータセンターの規模は2ギガワット(GW)以上と言及し、同社の大規模言語モデル「ラマ(LLaMA、Large Language Model Meta AI)」のトレーニングに利用すると述べた。

メタが同データセンターで利用する電力は100%再生可能エネルギーで賄うとしている。また、地元電力会社と協力し、最低1,500メガワット(MW)の新たな再生可能エネルギーを電力網に追加することを目指す。さらに、年間100万ドルを同電力会社による低所得者支援プログラムに寄付する予定だ。ほかにも、メタは同地域で道路や水道などのインフラ改善に、2億ドル以上の投資を計画している。

投資先としてこの地域を選んだ理由として、メタは、インフラへのアクセスの良さや、信頼できる電力網、ビジネスに適した環境などを挙げている。同社はルイジアナ州で2024年7月に施行された州法第730条による新しい優遇策を受けるとみられる。これにより、データセンター機材のリースまたは購入に対し、売上・利用税の一部が還付される。同州のジェフ・ランドリー知事(共和党)はメタのデータセンター新設について「ルイジアナの新しい章が始まる」と喜んだ。

メタは直近では、サウスカロライナ州エイケン郡にデータセンター新設を発表している(米メタ、カジノ 無料 ゲーム)。AI開発の勢いとともに、データセンターで必要になる電力は今後ますます需要の高まりが見込まれる中、同社は環境に配慮した取り組みに力を入れる。12月3日には発電容量1~4GWの原子力発電所を米国内に2030年前半にも稼働させることを目標としていると発表した。同社は2024年8月にも、ルイジアナ州の100MWの太陽光発電プロジェクトと電力購入契約を締結しており、2025年後半の開始を見込む。

(キリアン知佳)

(米国)

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