米商務省、CHIPSプラス法に基づき、ボッシュに助成
(米国)
サンフランシスコ発
2024年12月19日
米国商務省は12月13日、CHIPSおよび科学法(CHIPSプラス法)に基づき、ボッシュ(本社:ドイツ)に最大2億2,500万ドルを助成する予備的覚書(PMT)に署名したと発表した。これにより、同社はカリフォルニア州サクラメント近郊のローズビルの製造施設に19億ドルを投じ、シリコンカーバイド(SiC)パワー半導体の生産拠点に転換するための助成を受ける。この施設はボッシュにとって世界最大規模のSiCデバイス工場となり、最大1,000人の建設雇用、最大700人の製造、技術、研究開発分野での雇用創出を見込む。
SiC半導体は電気自動車(EV)の走行や充電効率向上に使用され、ローズビル工場は米国内SiC半導体デバイス生産量の40%以上を担うとされる。商務省のジーナ・レモンド長官は「SiCチップは自動車、通信、防衛産業の重要な部品で、エネルギー消費の削減につながる。この助成により、サプライチェーンの安全性を確保しつつ、雇用創出も達成できる」と述べた。
ボッシュ北米拠点とボッシュモビリティアメリカズの社長のポール・トーマス氏は「この重要な技術を米国で生産することは、当社のモビリティ市場でのリーダーシップを強化するものだ」と述べた。同社は2026年からローズビル施設で200ミリメートル(mm)ウエハーを使用した初のチップ生産を開始する予定で、前工程のデバイス製造に加え、後工程のテスト、仕分け、ダイシング工程も行われる。
さらに、同社は、カリフォルニア州競争税額控除(CCTC、注)にも認定されているほか、対象となる資本支出の25%が税額控除される財務省の先端製造投資税額控除(CHIPS ITC、関連オンライン ブラック ジャック)の申請も予定している。カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事(民主党)は「カリフォルニア州は、半導体分野のイノベーションと、次世代マイクロエレクトロニクス技術で、全米をリードしている。今回の助成金により、さらなる民間投資を呼び込み、州の半導体製造能力を強化し、世界の技術革新のリーダーとしての地位を維持できる」と述べた。同州は業界をリードする企業の集積が全米最多で、600以上の製造施設を擁している。
(注)カリフォルニア州に投資を行う企業に対し、法人税控除プログラムと重要産業における連邦インセンティブの州のマッチングとしての助成金プログラム。
(松井美樹)
(米国)
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