ドイツ商工会議所連合会、2025年もゼロ成長と予測、経済見通しは引き続き不透明
(ドイツ)
ベルリン発
2024年11月13日
ドイツ商工会議所連合会(DIHK)は10月29日、秋季景況感アンケート調査を発表した(プレスリリース)。同アンケートは各地の商工会議所を通じて9月9日から10月4日に実施し、国内の約2万5,000社から回答を得た。回答企業の産業は、鉱工業(26%)、建設業(7%)、商業(22%)、サービス業(45%)に分類されている。
アンケート調査によると、現在の事業状況について、「良い」と答えたのは全体の26%で、前回の初夏景況感アンケート調査(2024年5月発表)の28%からマイナス2ポイント、「悪い」は25%(前回調査では23%)だった。産業別では鉱工業が最も悪く、19%が「良い」、35%が「悪い」と回答した。
「今後12カ月間の自社の事業見通し」に対する回答では、「改善」(13%)、「変わらない」(56%)、「悪化」(31%)だった。DI値(「改善」の回答割合から「悪化」の回答割合を引いた値)はマイナス18で、前回調査のマイナス10から悪化している。
「今後12カ月間の国内での自社の投資見通し」については、「投資を増やす」と回答した企業が23%、「変わらない」が44%、「投資を減らす」が33%だった(添付資料図参照)。今後12カ月間に自社の経営上のリスクになり得る事項を選択肢から選ぶ質問(複数選択可)では、「国内需要」を選択した企業が59%、それに「経済政策枠組み」(57%)、「労働コスト」(54%)、「熟練・専門労働者不足」(51%)が続いた。「エネルギー・原材料価格」は、2022年秋の最高値(82%)から、49%にまで落ちている。(添付資料表1参照)。
DIHKは秋季景況感アンケート調査結果と同時に、経済見通しも発表した(添付資料表2参照)。2024年と2025年の実質GDP成長率をそれぞれマイナス0.2%、0.0%と予測。2025年は政府の秋季経済予測()1.1%を大幅に下回る低成長と予測した。
今回のアンケート調査結果を受けて、DIHKのマルティン・バンスレーベン事務局長は「投資不足、官僚主義、高過ぎる立地コストなどにより、ドイツ経済は行き詰っている」「ドイツは単なる経済危機だけではなく、根深い構造的危機に見舞われている」「2024年はマイナス成長、2025年にはゼロ成長が予想され、そうなれば3年連続でGDPの実質成長が見られないことになる」とコメントした。何よりも経済の枠組み条件を改善する迅速かつ的を絞った対策が必要と語った。
(打越花子)
(ドイツ)
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