ドイツ自動車大手、第1～3四半期の世界販売台数は前年同期比で減少

ドイツ自動車大手のBMWグループは11月6日、2024年第3四半期（7～9月）の全世界での乗用車販売台数を発表した。これで、フォルクスワーゲン（VW）グループ、BMWグループ、メルセデス・ベンツグループのドイツ自動車大手3社の第3四半期の販売実績が出そろった。各社とも、2024年1～9月の世界販売台数が前年同期比で減少した。メーカーによって、プラグインハイブリッド車（PHEV）とバッテリー式電気自動車（BEV）の販売台数の動向が異なった。3社とも中国での販売台数は2桁減少した。各企業の概要は次のとおり。

〇VWグループの2024年第3四半期までの販売台数（注1）は627万8,872台（前年同期比2.9％減）だった。乗用車販売台数を主要地域別・国別にみると、アジア大洋州は226万4,591台（10.9％減）、うち中国も205万5,651台（10.1％減）と減少した。西欧は234万1,572台（0.3％減）だった。うちドイツは83万6,380台（1.0％減）となった。商用車を含めると652万4,257台で、BEVは50万6,529台（4.7％減）となった。他方、PHEVは19万1,714台（9.1％増）と増加した。BEVとPHEVが商用車も含めた総販売台数に占めるシェアは10.7％となり、前年同期比で0.2ポイント増加した。

〇BMWグループの2024年第3四半期までの販売台数（注2）は175万4,157台（前年同期比4.5％減）だった。地域別では、アジアは70万1,191台（10.7％減）、うち中国は52万4,192台（13.2％減）だった。欧州は68万281台（1.4％増）と増加した一方、うちドイツは18万9,182台（1.8％減）と減少した。BEVの世界販売台数は29万4,052台（19.1％増）と好調だった。全体に占めるシェアは16.8％となり、前年同期に比べて3.4ポイント上昇した。他方、PHEV（BMWとミニ）は11万5,068台（16.9％減）と大幅に減少した。全体では6.6％のシェアを占め、前年同期比で0.9ポイント下がった。

〇メルセデス・ベンツグループの2024年第3四半期までの販売台数（注3）は146万3,263台（前年同期比4.3％減）だった。主要地域別・国別では、アジアは66万2,578台で10.0％減、うち中国も51万2,189台（10.2％減）と低下した。欧州（注4）は47万5,961台（1.9％減）だった。うちドイツは14万9,693台（13.4％減）と減少した。BEVの世界販売台数は振るわず、13万5,908台（22.1％減）だった。全体でのシェアは9.3％を占め、前年同期に比べて2.1ポイント低下した。PHEVは13万1,464台（13.9％増）と増加した。シェアは9.0％となり、前年同期比で1.5ポイント拡大した。

（注1）中国の合弁会社分を含む。乗用車以外のVWブランド小型商用車を含む。

（注2）BMW、ミニ、ロールスロイスブランドの合計。華晨汽車集団（Brilliance）との合弁会社分を含む。

（注3）メルセデス・ベンツグループ傘下のメルセデス・ベンツ、スマートの合計。

（注4）EU加盟国とスイス、ノルウェー、英国の合計。

（クラウディア・トーディ）