遼寧省瀋陽市、国家カーボンピークアウトパイロットエリア実施プランを公布
(中国)
大連発
2024年11月11日
中国の遼寧省瀋陽市政府は10月31日、「国家カーボンピークアウトパイロットエリア(瀋陽)実施プラン」を公布した。同プランは国のカーボンピークアウト・カーボンニュートラル目標達成に向けた戦略的取り組みの一環として制定されたもの(注1)で、瀋陽市のパイロットエリアの目標として、2025年までに二酸化炭素(CO2)排出量の域内総生産(GRP)比を2020年より18.5%減少させ、2030年までにCO2排出量をピークアウトさせることを課している。
また、同プランでは、エネルギーの低炭素化転換モデル、製造業のハイエンド化・スマート化・グリーン化転換モデルの構築などを含む5項目20条の重点取り組みを定めている(添付資料表参照)。取り組みにおける主な目標は次のとおり。
- 新エネルギーの発電設備容量を2025年と2030年までにそれぞれ2022年より280万キロワット、550万キロワット増加させ、非化石燃料由来のエネルギー消費の割合をそれぞれ17.8%、25%に引き上げる。
- 都市交通におけるグリーンモビリティ(注2)の割合を2025年と2030年までにそれぞれ75%、77%に、新エネルギー車の普及率をそれぞれ30%、40%に引き上げる。
- エネルギー貯蔵産業と水素エネルギー産業の年間生産高を2025年までにそれぞれ200億元(約4,200億円、1元=約21円)、500億元に増加させる。
また、同プランの推進を確実にするために、次の6点に関して新たな政策面の取り組みを進めていくことも盛り込まれた。
- 金融および投資融資政策
- 炭素クレジット取引メカニズム
- カーボンフットプリント(注3)管理認証制度
- カーボンインクルージョン(注4)メカニズム
- (炭素排出量の)評価・計算基準制度
- エコ商品の価値創出メカニズム
(注1)中国は2030年までにカーボンピークアウトを、2060年までに実質的なカーボンニュートラルを実現することを目標として表明している。国家発展改革委員会は2023年12月に「カーボンピークアウトパイロットエリアの第1弾リスト」を公表し、瀋陽市を含む全国25都市と10カ所の産業園区をカーボンピークアウトパイロットエリアとして指定していた(関連ブラック ジャック トランプ)。
(注2)電動車両など、環境負荷が少ない交通手段。
(注3)個々の商品やサービスについて、原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量を換算して表示する仕組み。
(注4)一般企業や小規模自治体、個人レベルでの脱炭素行動を後押しすることを目的とする取り組み。
(李穎)
(中国)
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