リグーリア州知事選、僅差で与党勝利、野党連携も及ばず

(イタリア)

ミラノ発

2024年11月06日

イタリアで10月27、28日、主要都市ジェノバを抱えるリグーリア州の知事選挙と州議会議員選挙が実施された。ジョバンニ・トーティ前州知事の収賄による退任に伴う選挙で、「イタリアの同胞(FDI)」や「フォルツァ・イタリア(FI)」「同盟(Lega)」などのジョルジャ・メローニ政権の与党が推薦するマルコ・ブッチ氏と、野党の中道左派「民主党(PD)」や左派「五つ星運動(M5S)」などが推すアンドレア・オルランド氏の一騎打ちとなった。得票率はブッチ氏が48.8%、オルランド氏が47.4%で、わずか8,500票弱の差という大接戦を中道右派が制した。投票率は前回2020年の53.42%から大きく下落して45.97%だった。

州議会議員選挙の政党別得票率では、FDI15.1%、Lega8.5%、FI8.0%。一方、民主党は28.5%と群を抜いた。汚職で退任したトーティ前州知事は、2020年の州知事選挙で中道右派が擁立し、同地での右派の勝利は厳しいと予想されていたが、左派の一角のM5Sの得票率が4.6%と振るわず、オルランド氏を勝利へ導くことができなかった。M5Sは2022年の国政選挙と比べて、同州で7万票も失っている。また、同党は6月に実施された欧州議会選挙でも、前回2019年の同選挙に比べて大きく議席を減らしている。

2024年の州知事選挙では、サルデーニャ州以外のアブルッツォ州、バジリカータ州、ピエモンテ州で中道右派が推す候補者が勝利している。現地報道によると、当確を受けて、メローニ首相は「今回もまた、中道右派連合は市民の期待に応えた。われわれの政策への信頼を確固たるものにした」とコメントした。PDのエリー・シュライン党首は「民主党は最善を尽くしたが、単独では十分ではないことは承知している。他党の問題もわれわれの課題として取り組んでいく」として、左派での共闘を進める考えを示した。

11月17、18日にはエミリア・ロマーニャ州とウンブリア州の州知事選が控えている。イタリアの政治・経済・社会動向を分析するメディアYouTrendが10月24日に実施した政党支持率調査によると、FDI29.4%、PD23.1%。次いでM5S11.4%、FI9.5%、Lega8.7%となっている。

(平川容子)

(イタリア)

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