JX金属、米アリゾナ州で半導体関連材料製造工場のオープニングセレモニー開催
(米国、日本)
ロサンゼルス発
2024年11月25日
米国のアリゾナ商業公社(Arizona Commerce Authority:ACA)は11月20日、JX金属の米国法人JX Advanced Metals USA(JX USA)がアリゾナ州メサ市で最先端の製造工場のオープニングセレモニーを開催したと発表した。同工場では米国と欧州の顧客向けに、半導体用の高度なスパッタリングターゲット(注)が生産される。既にテスト生産が行われており、2025年の早い段階から本格的な生産が開始される予定だ。同社は既に同州のチャンドラー市に工場を有しているが、27万3,000平方フィート(約2万5,000平方メートル)のメサ工場の生産能力はチャンドラー工場の2倍以上になることが見込まれる。同工場には、生産エリアのほかに、共同オフィススペース、ソーラーパネルに覆われた駐車場、電気自動車(EV)充電ステーション、従業員のための庭園エリアなどが含まれる。
同社が新工場の場所にメサ市を選択したのは、アリゾナ州のビジネス支援環境や、熟練の労働力、成長する半導体産業の需要に対応したインフラなどが理由とされる。ACAのサンドラ・ワトソン最高経営責任者(CEO)は「JX USAの最先端の製造施設は、アリゾナ州でJXが積み上げてきたものを拡大するとともに、アリゾナ州の半導体分野のリーダーシップをさらに強化する」と述べている。また、JX USAは新工場について「半導体材料製造の拡大を促進するだけでなく、米国の先端材料分野における当社の事業の中心地としても機能する」とコメントしている。
アリゾナ州にはファウンドリー(半導体受託製造)世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)をはじめ、多数の半導体関連投資が行われ、日系サプライヤーの進出も相次ぐ。こうした中で、ジェトロは11月14~15日に同州に日本企業による投資環境ミッションを派遣した()。
(注)半導体上に薄膜を形成するために使用される金属製の素材。
(堀永卓弘)
(米国、日本)
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