サファリコムの上半期純利益は17.7%減少、エチオピアの通貨安が収益を圧迫
(ケニア、エチオピア)
アディスアベバ発
2024年11月20日
ケニアの通信大手サファリコムは11月7日、2025年3月期の上半期(2024年4~9月)決算を発表した。純利益は前年同期比17.7%減の281億シリング(約334億円、1シリング=約1.19円)と大幅に減少した。同社のエチオピア事業において、通貨ブルが2024年7月の為替制度の変更を受けて急落し(関連ブラック ジャック 賭け)、338億シリングの為替差損が発生したことが主な要因、と同社は分析している。
一方、グループ全体の売上高は、前年同期比15.1%増の1,894億シリングとなった。国別の売上高をみると、ケニア事業は15.4%増の1,867億シリングだった。モバイル決済サービス「M-PESA」が16.6%増の772億シリング、モバイルデータ部門が20.2%増の356億シリング、音声通話部門も4.8%増の406億シリングとなった。
エチオピア事業については、売上高が前年同期比25.4%増の27億シリングだった。2022年10月6日のエチオピアでの商業サービス開始以降、契約数を着実に伸ばしており、90日間のアクティブユーザー数は610万人に達し、前年同期比47.3%の伸びを示している。
ただし、同社がほぼ独占状態にあるケニア市場の競争環境にも変化が出てきた。イーロン・マスク氏が率いる米国宇宙企業スペースXは、2023年7月にケニア市場に参入し、低軌道衛星を使った高速インターネットサービス「スターリンク」を開始した。ケニア通信庁の報告によると、2024年6月までの3カ月間で同国の衛星インターネット契約数は73.1%増加し、2023/2024年度(注)では約21倍という驚異的な伸びを記録した。この成長は、スターリンク・インターネット・サービス・ケニアのライセンス取得とその後の開始によるものと報告している。
(注)ケニアの会計年度では2023年7月1日~翌2024年6月30日。
(石川晶一)
(ケニア、エチオピア)
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