富士フイルム、サウジアラビアで地域統括会社設立を発表、6件の覚書も締結

(サウジアラビア)

リヤド発

2024年11月20日

富士フイルム中東アフリカは10月22日、サウジアラビア最大級のヘルスケア分野の展示会「Global Health Exhibition」で、首都リヤド市内に地域統括会社(RHQ)を設立することを発表し、地場の医療機関と6件の覚書(MOU)に調印した。調印内容は、放射線スキャン機器への人工知能(AI)統合支援、AI技術・医療画像・がん検診に関するスタッフトレーニング支援、教育活動の一環とした超音波技術の提供、バイオメディカル・エンジニアの育成を通した、内視鏡検査サービスセンターの設立など多岐にわたった。

富士フイルム中東アフリカの近藤道夫マネジングディレクターは「富士フイルムは数十年にわたりサウジアラビアのパートナーであり、今回の新たな覚書締結はサウジアラビアのヘルスケアセクターに対する当社のコミットメントをさらに推し進めるものである。今回の締結は、『ビジョン2030』の中核目標である予防医学と早期発見を中心に医療を推進するという当社の使命を反映している」と述べた。

ビジョン2030実現プログラムの1つである「Health Sector Transformation ProgramPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」では、包括的かつ効果的な保健セクターへの変革を目指し、「健康リスクの予防促進」「医療サービスへのアクセスの促進」「医療サービスの質と効率の向上」「交通安全の強化」が戦略目標として設定されている。特に、「健康リスクの予防促進」では、2030年度の平均寿命80歳を目標とし、健康と健康格差の社会的原因への対処、慢性疾患の予防、一般の人々の健康の向上などの取り組みが行われている。ビジョン2030が発表された2016年の平均寿命76.8歳に対し、2023年では77.6歳と延びている。

(井村文哉)

(サウジアラビア)

ビジネス短信 a745e389026b795f