米中首脳会談、APECに合わせリマで開催

(米国、中国、ペルー)

リマ発

2024年11月18日

APEC首脳会議への出席のためペルーを訪れた米国のジョー・バイデン大統領と中国の習近平国家主席は、1116日に会談を行った。ペルーの各報道機関は詳細にわたり報じた。米国大統領選挙後、初めての両国の会談で、両氏による会談は最後となる可能性が高いこと、1時間40分に及ぶものとなったことから注目を集めた。APECの閣僚会議・首脳会議の前後で開催されるペルー以外の国による会談を詳細に報道することはまれで、異例の扱いとなった。

当地報道によると、会談で習国家主席は、「中国は米国政府との対話を継続し、協力を拡大し、相違点に対処していく用意がある」とした上で、「中国として、相互尊重、平和共存、ウィンウィンの協力関係の原則は変わらない」と述べた。

バイデン大統領は、中国側との立場の相違を認識した上で、「われわれの対話は誤算を防ぎ、両国間の競争が紛争に発展しないことを保証することになる。それは両国のみならず、世界の他の国々に対する私たちの責任である」と述べ、対話を継続することで一致した。サイバー攻撃、人権問題、ロシアに対する中国の軍需産業支援への懸念などのやり取りも行われた。

米中会談は、APEC首脳会議の会場とは離れたリマ市内のホテルで開催された。地元テレビ局は、会談に使用されるホテルの会議室の準備の様子や習国家主席が会場近くの中国大使館を出発して会場入りする様子も放映するなど詳細を伝えた。米国大統領選の結果について、ペルーでは政界、産業界ともに冷静に受け止めている(2024年11月8日記事11月11日記事参照)。しかし、ペルーにとり中国と米国は金額ベースで輸出先国の1位と2位で、合わせると全体4割以上を占める構造にある。さらに銅、亜鉛などの資源供給国であるペルーは世界の製造業の動きに貿易面で影響を受けるため、両国の動きに注視している。

(石田達也)

(米国、中国、ペルー)

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