米非営利団体クライメート・ユナイテッドが69億ドルの助成金獲得、EVトラック500台購入発表
(米国)
ロサンゼルス発
2024年11月05日
米国の非営利団体「クライメート・ユナイテッド(Climate United)」は10月29日、米国環境保護庁(EPA)から69億7,000万ドルの助成金獲得を発表した。最大2億5,000万ドルを投じて大型クラス8の電気自動車(EV)トラックを最大500台購入する予定で、同団体によると、EVトラックの1度の注文としては米国最大規模となる。
同団体は港湾近郊地域にゼロエミッショントラックを導入することで、温室効果ガス(GHG)排出量の削減を行う計画を発表している。同団体が購入したEVトラックを安価でリースすることで、小規模事業者が事業コストを抑えながらGHG排出量削減を可能とする選択肢を与える。まずはロサンゼルス港とロングビーチ港から開始し、全米に拡大する予定だ。この投資は全米各地でゼロエミッショントラックの製造とバッテリー技術の革新を加速することになるとしている。
クライメート・ユナイテッドのベス・バフォード最高経営責任者(CEO)は「ドレージEVトラックは運用コストが低いが、初期費用が高いことから、個人経営のトラック事業者や小規模車両が全てEVに移行するのは困難だ」と述べ、「私たちは税額控除、インセンティブといった魅力的な資金調達を通じて、中小企業のコスト障壁を大幅に削減し、企業がEV車両への移行を主導できるよう支援している」とした。
クライメート・ユナイテッドは、カリフォルニア州を拠点とするトラックのゼロエミッション化を行う「フォーラム・モビリティー(Forum Mobility)」と提携し、小規模事業者のニーズを満たすプログラムの開発を行っている。フォーラム・モビリティーは同州の港湾や貨物ルート沿いにスタッフを常駐させることで、EVトラックの安全な充電ができるEV充電ネットワークを構築しており、トラックがゼロエミッション化を滞りなく進めるための充電サービスを提供している。
カリフォルニア州は2035年までに貨物運送に使用する約3万3,000台のトラック全てをゼロエミッション車両にすることを義務付けていることから、トラックのゼロエミッション化が進むことが予想される。
(サチエ・ヴァメーレン)
(米国)
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