自己保有の外貨による輸入代金の支払い条件を緩和

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2024年11月28日

アルゼンチン中央銀行は11月21日、中銀通達A8133PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を公布し、自己保有の外貨による財とサービスの輸入代金の支払い条件を緩和した。

現状、財の輸入代金の支払いは原則として、貨物の輸入通関から30暦日を経過しないと実行することはできない。今回の規制緩和により、(1)国内金融機関の外貨建て預金口座に保有する自己保有の外貨を用いて支払う、または(2)国内金融機関が国外のクレジットラインを通じて融資する外貨を用いて支払う場合について、輸入通関の前に輸入代金を支払うことを認めた。資本財(注)の場合は船積み前から、それ以外の財の場合は船積み後に支払いが可能となる。ただし、電子市場決済取引(MEP取引)など、有価証券の売買を通じて取得した外貨の場合は、外貨の取得から90暦日が経過した後でなければ、今回の緩和措置の対象とはならない。

これまで資本財については、中小零細企業に限ってFOB建て20%相当額は前払い、残額と保険料、運賃は通関から30暦日経過後に支払うことを認めていたが、今回の措置は、企業の規模に関係なく適用される。資本財のスペアパーツも、資本財に付随するかたちで輸入される場合は、スペアパーツのFOB建て価格が全体の10%以内の場合は、緩和後の条件に従って支払いを行うことができる。

サービスの輸入代金の支払いについても、これまで輸出者と輸入者の間に資本関係が存在しない場合は、サービスの提供から30暦日を経過しなければ支払いを実行することができなかった。このようなケースでも、今回の支払い条件の緩和によって、国内金融機関の外貨建て預金口座に保有する自己保有の外貨を用いて支払う、または国内金融機関が国外のクレジットラインを通じて融資する外貨を用いて支払う場合は期日前の支払いが可能になった。

(注)メルコスール対外共通関税分類番号(NCM)上の分類が「BK」のもの。

(西澤裕介)

(アルゼンチン)

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