オーストリアのクレーン大手パルフィンガー、スロベニアに工場建設

(オーストリア、スロベニア)

ウィーン発

2024年11月25日

スロベニア政府とオーストリアの大手クレーンメーカーのパルフィンガーは11月13日、スロベニア北東部に位置するオルモシュ市で同社の新工場を建設することに関する覚書を調印した。投資額は7,000万ユーロで、工場の稼働開始は2028年の予定だ。オルモシュの経済的発展に大いに貢献すると期待されている。

調印式にはスロベニアのマティヤシュ・ハーン経済・観光・スポーツ相、パルフィンガーのアレクザンダー・スザネク最高執行責任者(COO)、オルモシュ市のダニエル・ウルブニャク市長が同席した。

革新的なクレーンや、つり上げソリューションのプロバイダーのパルフィンガーグループは世界に31拠点を有し、1万2,000人以上の従業員を雇用している。同社はスロベニアのマリボル市で30年以上製造し、約900人の従業員を雇用しているが、同地では工場施設の拡張が見込めないため、先進的な工場施設をオルモシュに新規建設することを決定した。

ハーン経済・観光・スポーツ相は調印式で「パルフィンガーがマリボルの既存工場を維持しつつ、オルモシュへの先進的な技術を持つ工場の建設に最大7,000万ユーロを投資する準備をしていることを、経済・観光・スポーツ省として大変うれしく思っている」と述べた。現地報道によると、スロベニア政府は投資総額の最大30%に相当する1,500万~2,000万ユーロの投資支援を行うとしている(「スロベニア・タイムズ」11月13日)。

スザネクCOOは調印式で、オルモシュの新たな生産設備により、パルフィンガーのさらなるグローバルリーダーシップの拡大を見込んでいるとコメントした。オーストリアの報道によると、同氏はスロベニアの北東部で幾つかの場所を検討した結果、オルモシュを新工場の場所に選んだ理由として、敷地の広さや物流上優位な立地、将来建設予定の高速道路への近接などを挙げた。さらに、南東欧、ブルガリアやセルビアの部品サプライヤーとのアクセスも良く、オーストリアの生産拠点とつなぐハブとしても機能できるとした。オルモシュの生産拠点は2035年までに段階的に拡大される予定(「トレンド」11月8日、11月13日、「ORF」11月14日)。

オーストリアはスロベニアにとって最大の直接投資元国だ。2023年末時点で、オーストリア企業のスロベニアへの対内直接投資残高は前年比2.4%増の47億7,800万ユーロだった。

(エッカート・デアシュミット)

(オーストリア、スロベニア)

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