第9期第8回国会を開催、2024年成長率は4.5%の見通し
(ラオス)
ビエンチャン発
2024年11月26日
ラオスの第9期第8回国会初日の11月18日、ソーンサイ・シーパンドン首相は、2024年のGDP成長率見通しは2024年社会経済計画の目標値の4.5%と堅調で、特にサービス業の輸送業や卸・小売業、ラオス観光年やASEAN議長国に伴う観光客の増加が経済成長の推進役となったと説明した。観光客は9月までに国内外合わせて500万人に達し、観光収入は10億ドルを超えたという。一方、主食のもみ米生産は9月の洪水被害など天災の影響を受け、364万トン(計画は386万トン)にとどまる見通しだ。社会に大きな影響を与えている高いインフレでは、2024年10月までの平均インフレ率は24.4%で、2024年の平均では20%未満となる見通し(計画は10%未満)という(注1)。
外貨不足問題については、輸出企業の外貨売り上げを国内の商業銀行に振り込ませる義務の徹底と、その一部を強制的に現地通貨キープへと両替する制度の導入(ラオス中銀、ブラック ジャック)、クロスボーダー決済システムの導入(、関連ギャンブル ゲーム 無料)などによって増加し、外貨準備高は輸入の4カ月分(計画は3カ月以上)に改善したとした。
サンティパープ・ポムビハーン財務相によると、2024年の歳入は55兆キープ(約385億円、1キープ=約0.007円)と、計画を10%上回る見通し。同年1~10月の業態別の法人税収(前年同期比)については、物流業が2.4倍、ホテル・ゲストハウス業が2倍、自動車卸し・小売り1.9倍、電力1.6倍など増大した。さらなる税収強化のために、2025年には所得税法の改正に加え、税務違反への罰則規則や、ホテルや貴金属店など業態別の付加価値税に関するガイドライン、農産物輸出管理に関するガイドラインなどの整備を進めるという。また、高いインフレに対して公務員の給与水準が不十分な問題について、現状の公務員の最低賃金185万キープを2025年初旬には220万キープへと引き上げる計画を明らかにした。
同日には閣僚人事案も提出され、サルムサイ・コンマシット副首相兼外相を首相府常任副首相へ、トンサワン・ポムビハーン氏(注2)を外相とする案が承認された。
第9期第8回国会は12月11日まで開催される予定で、教育改革や農地開発マスタープラン案などのほかに、憲法改正に関する意見交換や、労働技術開発法草案、改正教育法草案など9法案の審議が行われる。
(注1)現地通貨キープ安の影響を受け、2022年6月からインフレ率が23.6%に達し、その後もインフレが進行して、2023年2月には41.3%となった。現在でも高い水準が続いており、2024年10月は20.7%だった。
(注2)現ラオス人民革命党対外関係委員長。これまでに駐ロシア大使や駐ベトナム大使、外務副相などを歴任している。
(山田健一郎)
(ラオス)
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