タイ中銀の第3四半期と9月の経済金融報告、輸出が牽引も9月は鈍化
(タイ)
バンコク発
2024年11月13日
タイ中央銀行(BOT)は10月31日、2024年第3四半期(7~9月)と9月の月例経済金融報告を発表した。タイ経済は同四半期に前期から拡大した一方、9月は前月の好調な輸出から一転して輸出が減少し、経済活動は減速した。
第3四半期のタイ経済は、エレクトロニクス関連製品や機械装置などで好調だった輸出に支えられ、前期から改善した。また、予算の成立後、政府支出は経常支出、資本支出ともに大幅に拡大し、民間投資の改善にもやや寄与した。他方、観光収入と個人消費はわずかに減少し、生産も自動車産業を中心に減少した。
9月は、財の輸出が前月比2.1%減の257億ドルに縮小した。中でも自動車が前月比8.5%減で、乗用車やピックアップトラックのASEAN、オーストラリア向け輸出が低迷した。個人消費も、乗用車やピックアップトラックの販売低迷に伴い、耐久消費財を中心に減少した。民間投資はほぼ横ばいで、外国人観光客数は季節調整済み前月比で減少したものの、外国人観光客収入は改善した。
主要経済3団体で組織するタイ商業・工業・銀行合同常設委員会(JSCCIB)は11月6日の定例会見で、エレクトロニクスの上昇サイクルによる輸出拡大や、政府による低所得者層などへの消費刺激策などを考慮し、2024年のGDP成長率予測を2.2~2.7%から、2.6~2.8%に上方修正したと発表した。
(藤田豊)
(タイ)
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